『仁義なき戦い』名セリフ集



 『仁義なき戦い』などの作品で知られる名脚本家・笠原和夫さんが亡くなった。

 『仁義なき戦い』4部作の脚本は幻冬舎アウトロー文庫に入っているが、私は幾度となくこれを読み返したものだ。もちろん、『仁義なき戦い』のビデオもくり返し観た。「ヤクザ映画だから」という理由で食わず嫌いしている人がもしいたら、ぜひじっくりご覧いただきたい。やっぱすごいですよ、この4部作。シナリオのお手本といってもよい。

 私なんか、『仁義なき戦い』の名場面・名セリフをそっくり暗記しています。宴会の余興でやってもいいくらい。

 小林旭「昌三、こんなぁ、何年打たれたんな?」
 菅原文太「八年と…六月じゃ。間尺に合わん仕事をしたのう」
 
 とか、

 松方弘樹「おやっさん! アンタはわしらが担ぐことにした神輿じゃないの。神輿が勝手に歩けるゆうなら歩いてみいや、オウ!」

 とか、セリフのやりとり自体が面白い。
 もっと引用してみよう。

北大路欣也「ナカ(刑務所)の暮らしいうたら生き恥さらすような毎日ですけん、生きたムクロで20年待つより、償いに死に花咲かさしてつかぁさい」

 小林旭「広島極道はイモかもしれんが、旅の風下にゃあ、いっぺんも立ったことはないんでぇ」
 梅宮辰夫「ほうか、ようわかった。おんどれも吐いた唾飲まんとけよ」

 伊吹吾郎「こりゃ馬のションベンか? ビールやったらもっとヒヤいの持ってこいや!」
 菅原文太「馬のションベンいらんじゃったら、ホンマのションベン飲ましたろか!」
 伊吹「オウ! 飲ましてみい!」

 小林旭「そっちこそ山守トルトル言うとってトレやせんじゃないの。打本はそっぽ向いちょるし、明石組には見捨てられるし、しまらん話よのう」
 菅原文太「オウオウ、どうとでも言いないや。いよいよ動きがつかんけぇ、電話でカバチたれるしかないんじゃろが、このクソバカたれ!」

 菅原「最後じゃけぇ、言うとったるがのう。追われる者より追う者のほうが強いんで。そがあな考え方しとったら、隙ができるど」

 下品だけど、独特の詩情と心地よいリズムがあるんだなあ。

 また、笠原のエッセイ集『破滅の美学~ヤクザ映画への鎮魂歌』(幻冬舎アウトロー文庫)も、バツグンに面白い。

 翻訳家/映画評論家の芝山幹郎さんの著書にも、『仁義なき戦い』の名セリフを集めた「詞華集」が収められていた。たしかに、そういうものが作りたくなる映画である。
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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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