夏目房之介『あの頃マンガは思春期だった』

 
あの頃マンガは思春期だった (ちくま文庫)あの頃マンガは思春期だった (ちくま文庫)
(2000/09)
夏目 房之介

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 夏目房之介著『あの頃マンガは思春期だった』(ちくま文庫/700円)読了。

 ――単行本のときは『青春マンガ列伝』というタイトルで出ていたもの。夏目氏自身の青春を振り返ると同時に、1960~70年代の思い出のマンガについて綴ったもの。
 筋金入りのマンガ・ファンであり、青春時代にも一貫してマンガを描きつづけてきた夏目氏が自らの青春を語れば、おのずとマンガ論にもなる。中島梓にも『マンガ青春記』という著書があるが、あれの夏目房之介版である。

 私の好きな永島慎二や宮谷一彦について言及した章が読みたくて読んだのだが、ほかの章も面白かった。
 私は夏目氏を取材したこともあるし、著作もけっこう読んでいるが、こんなにまっとうな青春を送ってきた人だとは思わなかった。もっと、なんかこう、マンガを読み描きすることにだけ忙しい「元祖オタク」的な人だとばかり思っていたのである。

 ところが、ここに綴られた氏の青春は、私の思い込みよりもずっと「フツー」だった。『同棲時代』が流行るよりも先に彼女と同棲はするわ、ミナハイ(ハイミナール=睡眠薬)でラリるわ、テニスはやるわ、ジャズ喫茶には通いつめるわ……という具合だ。かなり意外。

 私は年齢のわりにはマンガの好みが古くて、1960年代後半から70年代前半にかけてのマンガに好きな作品が多い。そのため、好きな作家・作品が多く取り上げられたこの本は、マンガ評論としても読み応えがあった。
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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。56歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴32年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

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●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

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