松枝史明『実践的ライター入門』


実践的ライター入門実践的ライター入門
(2004/12/02)
松枝 史明

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 松枝史明著『実践的ライター入門』(PHP/900円)読了。
 
 ライター歴30年以上、手がけた単行本は約350冊(そのうち320~330冊はゴースト、つまり他人の本)というベテラン・ライターが書いたライター入門である。
 かくいう私はライター歴18年、手がけた単行本は約100冊(9割以上がゴースト)。キャリアとしてはかなり長いほうだが、この著者には負ける。 

 「ライター入門」のたぐいはもう供給過剰であって、いまどきその手の本を出すためには、なんらかの「角度」をつけて類書との差別化をはからねばならない。
 たとえば、永江朗の『インタビュー術!』や『〈不良〉のための文章術』は、それぞれ取材技術と文章術に内容を特化することによって、その差別化をはかっていた。

 では、本書の「角度」は何かといえば、“単行本を書くためのライター入門”に徹している点である。それも、自らの著書としてノンフィクション作品を刊行する、などという高いハードルを設定せず、ゴーストライターとして他人の本を書くためのノウハウがおもに説かれている。

 それ以外のこと(たとえば、雑誌記事を書いたり、雑誌編集部に売り込みをしたりするノウハウなど)はバッサリ割愛されており、そのかわり、単行本執筆のノウハウは微に入り細を穿って書かれているのだ。

 こういう本は、ありそうでなかった。
 タイトルも装丁も地味だし、あまり期待しないで手にとったのだが、なかなか良質なライター入門である。
 とくに前半、一冊の単行本の構成をどのように立ててけばよいかがくわしく説明されたくだりは、私にも大いに参考になった。

 「ゴーストの仕事なんかやりたくない。オレは署名仕事しかしないのだ」というライターもいるだろうが、そういう人が読んでも参考になる点が多いはず。たとえば、雑誌記事ばかり書いてきたライターが初めて単行本書き下ろしの仕事をする場合など、この本がよきガイドになってくれるだろう。

 ライターのみならず、「自分の本を書いてみたい」と考えている人すべてにオススメである。
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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴31年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

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●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

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