80年代ポップス・ベスト20



 「マイぷれす」に「ベストヒット80's 」なんてスレッドがあったので、発作的に「80年代ポップス・ベスト20」を選んでみた(ベストテンにするつもりが、いつのまにか20曲になっていた)。

 以前メインサイトで「70年代ポップス・ベストテン」を選んだことがあるけど、ほんとうは80年代のヒット曲のほうが身近なのだ。80年代は私の10代半ばから20代半ばにあたるから。

 言わずと知れた大ヒットから隠れた名曲まで、バラバラ。
 各曲についてコメントしてみよう。

80年代ポップス・ベスト20
スウィングアウト・シスター「フォーエヴァー・ブルー」
 メロディーもコーラスもストリングスも、バート・バカラックの諸作を彷彿とさせる。上品な名バラード。

カルチャー・クラブ「タイム」
 フィリー・ソウル風の名曲。「君は完璧さ」より「ポイズン・マインド」より「ミス・ミー」より、私はこれが好きだった。
 ボーイ・ジョージはいまどこへ? …と思ってググってみたら、カルチャー・クラブがいつのまにか再結成していた。 

シンディ・ローパー「タイム・アフター・タイム」
 個人的にはあまり興味のもてないシンガーだったけど、これは時代を超える名バラード。晩年のマイルス・ディヴィスも、自分のアルバムで取り上げていた。
 
ビリー・ジョエル「アレンタウン」
 この曲がオープニングを飾る『ナイロン・カーテン』は、ビリー・ジョエルのアルバム中、いちばんビートルズっぽくてよい。この曲など、もろ中期ビートルズだ。スピルバーグが監督した(だったと思う。記憶で書いてるのでちと不安になった)ニューシネマ風のプロモ・ビデオも話題になったっけ。
 『ナイロン・カーテン』では、「グッドナイト・サイゴン」も名曲。「チャーリーも、ベイカーも、ドアーズを聴きながら死んでいった」。うぅぅ、泣ける。

デイヴ・スチュワート&バーバラ・ガスキン「ライプチヒ」
 「エレポップ界のカーペンターズ」という趣もあったデュオ。懐かしい音色の流麗なシンセ、バーバラの伸びやかなヴォーカル、いずれも素晴らしい。

ネイキッド・アイズ「灯が消えるころ/When the Lights Go Out」
 日本では、「僕はこんなに」が小ヒットした「一発屋」として知られるのみの“切な系”エレポップ・デュオ。彼らのファースト・アルバムに収録されていた超・名曲。
 だが、現在入手可能な日本盤のベスト・アルバムには、けしからぬことにこの曲は入っていない。このまま埋もれさせてしまうにはあまり惜しい曲だ。 

カッティング・クルー「愛に抱かれた夜/(I Just) Died in Your Arms」
 邦題が赤面ものですな。
 やはり「一発屋」であるカッティング・クルーだが、彼らのファースト・アルバム『ブロードキャスト』は隠れた名盤である。いい曲がずらりと揃っているのだ。ヴォーカルの声質がジョン・ウェットンに似ている。

ユーリズミックス「ゼア・マスト・ビー・アン・エンジェル」
 この曲は、テレビドラマの主題歌になったり、CMに使われたりして、いまだによく耳にする。力強さとホーリーな透明感を兼ね備えた、聴く者に幸を与える曲。ゆえに、結婚披露宴のBGMにもよく使われる。落ち込んでいるときにこの曲に救われた人も多いのでは? 

イエス「ロンリー・ハート」
 プログレの大御所が、トレヴァー・ラビンという新たな血を導入してポップに生まれ変わった時期の代表曲。パーフェクトな仕上がり。フェアライトの音色がいまとなっては懐かしい。

スザンヌ・ヴェガ「ルカ」
 スザンヌ・ヴェガ最大のヒット曲。清冽で美しい曲だが、歌詞の内容は児童虐待をテーマにしたヘビーなもの。

ポール・マッカートニー「テイク・イット・アウェイ」
 名盤『タッグ・オブ・ウォー』収録の、ビートルズ時代の「ハロー・グッドバイ」を彷彿とさせる傑作。天才メロディー・メイカーの本領発揮。サビ・Aメロ・Bメロをつなぐ展開のさせ方の、なんと自然で見事なこと。リンゴ・スターとスティーヴ・ガッドの豪華ツイン・ドラムスも聴きものだ。

フィル・コリンズ&フィリップ・ベイリー「イージー・ラヴァー」
 「見つめて欲しい」とどちらを選ぶか迷ったすえに、こちら。ロック色の濃いギターとドラムスが小気味よい。タイプの異なる2人のヴォーカルの、からみ・掛け合いの妙も堪能できる。

ホール&オーツ「プライベート・アイズ」
 どちらかといえばシブいブルーアイド・ソウルのデュオだった彼らを、スーパースターへと飛翔させた大ヒット曲。ポップ・ソングとして完璧な出来。ちなみに、「プライベート・アイ」とは私立探偵の俗称。
 彼らの曲では、メロウなバラード「ワン・オン・ワン」も好きだったなあ。

シンプリー・レッド「ホールディング・バック・イヤーズ」
 ミック・ハックネルが、ほろ苦い追憶を切々と歌い上げる名バラード。どちらかといえば70年代ポップスに近い匂いがある曲。
 厳密には「ホールディング・バック・ジ・イヤーズ」だが、邦題としては「ジ」が抜ける。オーティス・レディングの「ドック・オブ・ザ・ベイ」も邦題は「ドック・オブ・ベイ」である。

クリストファー・クロス「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」
 邦題をつけた人に拍手。原題は「Arther's Theme(アーサーのテーマ)」というごく平凡なものなのだ。
 この曲は『ミスター・アーサー』というB級映画(観てないけど、たぶんB級)のテーマ・ソングだったが、曲としての出来はまぎれもないA級。誕生したときからスタンダードの風格をもっていた曲である。
 それもそのはず、バート・バカラックとキャロル・ベイヤー・セイガーという手練のソングライター・コンビが、クリストファー・クロス自身とともに作り上げた共作曲だったのだ(サビの部分は、ピーター・アレンがキャロルと共作した未発表曲からのいただき。彼の名が作曲者の1人としてクレジットされているのはそのため)。
 アカデミー賞最優秀主題歌賞受賞曲。

ティアーズ・フォー・フィアーズ「ヘッド・オーヴァー・ヒールズ」
 TFFというと、「シャウト」のイメージが強い。なぜかあの曲ばかりが何度もCMに使われるからだ。だが、彼らには「シャウト」を超える名曲がたくさんある。私のお気に入りはこの「ヘッド・オーヴァー・ヒールズ」と、ファーストの「マッド・ワールド」。

ジョー・ジャクソン「ステッピン・アウト」
 この曲が入っていた『ナイト・アンド・デイ』は、80年代を代表する名盤の一つだろう。ジャケットもよかった(上の画像)。
 とくに、きらめくようなピアノのリフが心地よいこの曲は、「都市の夜」を表現した最も美しいポップソングではないか。

スクリッティ・ポリッティ「オー・パティ」
 グリーン・ガートサイドの美声とルックスで人気を集めたスクリッティ・ポリッティ。彼らのアルバムで最も完成度が高いのは『キューピッド&サイケ85』だが、一曲だけ選ぶとしたら、次作『プロビジョン』のこの曲。名バラードである。間奏に入るマイルス・デイヴィスのトランペットも絶品。

ドナルド・フェイゲン「I.G.Y.」
 ドナルド・フェイゲンの初ソロ『ナイトフライ』は、AORの聖典ともいうべき名盤中の名盤である。そのオープニングを飾った名曲。いまだにCMなどによく使われる。

スタイル・カウンシル「マイ・エヴァー・チェンジング・ムーズ」
 パンク・ロックのスターだった「ザ・ジャム」のポール・ウェラーが、おしゃれ系ポップスに転身を果たしたスタイル・カウンシル。おしゃれな音の底に、ストイックなパンク魂が透けて見えるところがよかった。この名曲もしかり。甘いメロディーなのに、凛とした骨っぽさも感じさせるのだ。
 そういえば、彼らの曲「シャウト・トゥ・ザ・トップ」が、『とくダネ!』のオープニング・テーマになっている(ミスマッチ!)。
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コメント

Re: 80年代ポップス・ベスト20
invsさま

情報ありがとうございます。
彼ら、まだやっていたんですねえ。
行ってみたいです。

貴ブログも拝見しました。
音楽の好みが渋いですねえ。
  • 2008-11-29│11:13 |
  • 前原 URL│
  • [edit]
Re: 80年代ポップス・ベスト20
Stewart & Gaskin の来日公演があります。来年3/20-22 になります。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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