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フリーライター前原政之の、感想日記(本・映画・音楽・マンガetc.)+日常雑記

穂村弘『もうおうちへかえりましょう』

もうおうちへかえりましょう もうおうちへかえりましょう
穂村 弘 (2004/05)
小学館

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 穂村弘著『もうおうちへかえりましょう』(小学館/1400円)読了。

 これで、穂村弘の既刊エッセイは全部読んだことになる。そろそろ飽きてきた(笑)。

 この『もうおうちへかえりましょう』は、現在までに5冊ある穂村のエッセイ集の中では、いちばん評論寄りで堅い内容。『ユリイカ』『文學界』『言語』『Forbs』など、わりとカタい雑誌に寄せた文章が多いためだ。
 なにしろ、収録された文章の中には、「言葉の戦後性」「存在と時間」「文学と人生」(!)などというタイトルのものまであるのだ。

 穂村弘は、筋肉質の評論からくだけたお笑いエッセイまで、メディアの求めに応じてなんでも書けてしまう器用な人なのだと思う。文章テクもすごい。

 とはいえ、堅いテーマの文章であっても、自虐的で笑えてときどきシュールな「穂村節」は、随所で炸裂している。
 たとえば、こんな一節――。


 (私の)母親は紅茶とコーヒーを区別することができる。だが、カフェオレになるともう駄目だ。理解できないのである。「カフェオレもあるよ?」と声をかけると怯えた目になってしまう。理解できないということは楽しめないということなのだ。そんな彼女を哀れに思いながら、私も最近スターバックス・コーヒーに入るとおどおどしてしまう。ホワイト・チョコレート・モカ・フラペチーノ、コロンビア・ナリニョ・スプレモ、これらは本当に飲み物なのか。コーヒーの仲間だって本当か。


 こんなふうに、ごくビミョーな世代間ギャップや日常の中の違和感を切り取る手際の鮮やかさが、穂村の真骨頂だ。

 また、いくつかの文章にマンガ・マニアぶりがうかがえるあたりも、シンパシー。
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