小田嶋隆『イン・ヒズ・オウン・サイト』

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(2005/09/15)
小田嶋 隆

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 小田嶋隆著『イン・ヒズ・オウン・サイト』(朝日新聞社/1680円)読了。

 小田嶋氏のサイト「おだじまん」の日記「偉愚庵亭日乗」と、ブログ「偉愚庵亭撫録」からのベスト・セレクションである。1998年から2005年にかけて書かれた数万行の中から厳選した文章が、400ページ近いボリュームにまとめられている。

 私は、氏のデビュー作『我が心はICにあらず』からその著作をずっと読みつづけてきた。この本に収録された文章も、サイトとブログで一度は読んでいるはずだが、それでもすごく面白い。もしかしたら、氏の著作の中でいちばん面白いかも。

 ここに収録された文章は、どれも原稿料という対価のために書かれたものではなく、小田嶋氏がほんとうに書きたいことだけを、しかも枚数制限などに縛られず自由に書いたもの。だからこそ、氏の才能・個性が、エッジを削られることなく素のまま出ている印象がある。

 難をいえば、収録する文章をもっと絞り込むべきだった気がする。これでも元の文章の10分の1に圧縮したらしいけど、もう一息、300ページくらいまで。
 たとえば、「当サイトが本になります」という告知文までそっくりこの本に入れる必要はなかったはずだ。

 ひととおり読み終えて「偉愚庵亭撫録」の過去ログをざっと見直してみたのだが、ブログにかぎっても、「なんであれを収録しなかったのか?」というエントリがけっこうある。

 「高塚猛タイーホ」や「選良からの手紙」、高田渡死去についてのエントリは、相手もあることだから面白くても捨てざるを得なかったのだろう(ブログ読者以外には意味不明だろうけど)。
 が、そうしたものを除いても、「なんであれを入れずにこれを入れるかね?」と首をかしげるセレクトが多い。

 セレクトを担当したという担当編集者氏は、私とはかなり好みが違うようだ。ま、好きなロック・アーティストのベスト・アルバムと同じで、どんなセレクトであっても不満を感じただろうけど……。 

 また、この本はやはり横書きにすべきだったと思う。元の文章が横書きなのに無造作に縦書きに直しているから、不自然な箇所が散見される。顔文字が横向きになっていたりとか。

 それと、小田嶋氏の手になる味のあるイラストは、もっとたくさん収録してほしかった。

 ……と、細かい難癖をつけたい部分はあるけれど、ファンとして、まずは満足の一冊。売れるとよいと思う。

 以下は、このブログで小田嶋氏の著作を取り上げたエントリ。ご参考まで。

『人はなぜ学歴にこだわるのか。』

『日本問題外論』

『かくかく私価時価』
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コメント

Re: 小田嶋隆『イン・ヒズ・オウン・サイト』
以前ブログを引っ越して、そのままになっていました。
あとで直しておきます。
  • 2008-12-31│07:39 |
  • 前原 URL│
  • [edit]
Re: 小田嶋隆『イン・ヒズ・オウン・サイト』
前原さん、紹介してあるリンクが全部切れてますぜ。
  • 2008-12-31│01:06 |
  • 小野不一 URL
  • [edit]

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。ライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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