『菊とギロチン』



 『菊とギロチン』をDVDで観た。

 昨年度キネ旬ベストテンで、日本映画第2位になった作品(1位は『万引き家族』)。

 同年のベストテンでは同じ瀬々敬久監督の『友罪』が8位にランクインしたが、私は『友罪』にはまったく感心しなかった。この『菊とギロチン』のほうがずっといいと思う。

 関東大震災直後の日本を舞台に、当時実在した女相撲の力士たちと、テロをくり返したアナキスト集団・ギロチン社の面々が「もしも出会っていたら……」という設定で紡がれた物語。この設定がすこぶる魅力的である。

 当初は、「女相撲とアナキスト」という副題がついていたという。「菊とギロチン」の「菊」は、直接にはヒロインとなる女相撲の力士「花菊」を指すが、同時に天皇も意味するダブルミーニングなのだろう(「天皇陛下万歳!」を叫ぶシーンが何度も登場する)。

 女相撲の話だけでも十分成立していた気もするし、女相撲とギロチン社の接合にはやや〝無理やり感〟がある。
 それでも、印象的なシーンも多く、全編に熱い情念がみなぎっていて、見ごたえある力作だ。

 夭折したロックスターのようなイメージで描かれた大杉栄など、なかなかよい。大杉の登場シーンをもっと増やしてもよかったのではないか。

 ただ、いまどき3時間超はちょっと長すぎ。
いろんな要素を詰め込みすぎな感もあり、もっと刈り込んで2時間以内に絞ったらよかったと思う。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴32年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

●私の大好きなギタリスト・渡辺香津美氏は、ご自身のイニシャル「KW」をもじった「KW(キロワット)」を、公式サイトのタイトルにしておられます(同名のアルバムもあり)。それにあやかったというわけです。

●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

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