松本大洋『TAIYOU』



 松本大洋の自選画集『TAIYOU』(小学館/4104円)をゲット。
 最初図書館で借りてきて、眺めているうちに欲しくなって買ってしまった。

 1999年発行の『101』以来、じつに19年ぶりの画集。
 過去19年間に描いた、自作コミックスのカバー画、雑誌の表紙、他の作家の本のカバー画や挿画、CDのジャケ画、ポスター、Tシャツ、カットなどから、大洋自らが気に入っているものだけを厳選している。

 「ごく一部の媒体にしか発表していないレア作品も収録」され、大洋自身のコメントも随所にあるなど、「2000年代の松本大洋作品世界を語るには欠かせない一冊」になっている。

 大洋のコメントから、一つ引用してみよう。


子供を描くのは自信があります。自分の描く子供は好きだなあって思います(笑)。
そのへんの道端にいるような、日本の子供の顔が好きなので、自由に描いていいときは、意識してそう描いています。
うまく言えないけど、子供を描いているときは対象との距離が近い感じがあるので、たぶん自分が、いい意味でも悪い意味でも、子供なんだと思います。



 保存版にふさわしい堅牢さと、手に取って眺めたりめくったりしやすいしなやかさを兼備した、バランスのよい造本。一冊の本として、とてもていねいに作られている。

 松本大洋は言うまでもなく日本を代表するマンガ家の一人だが、同時に優れたイラストレーターでもあることを、改めて認識させられた。

 『Sunny』関連の絵が、とくによい。
 「絵描きとしての永島慎二」がそうであったように、どの絵にも共通して、やさしさとあたたかさ、なつかしさ、そして胸をつく寂寥感があふれている。

■関連エントリ→ 永島慎二遺稿集『ある道化師の一日』

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。54歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴31年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

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●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

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