ティグラン・ハマシアン『太古の観察者』『ア・フェイブル』



 ティグラン・ハマシアンの、昨年出た最新アルバム『太古の観察者』(ワーナーミュージック・ジャパン/2132円)と、2011年のアルバム『ア・フェイブル』を聴いた。

 先日『シャドー・シアター』と『モックルート』を初めて聴いて気に入ってしまった、アルメニア出身のジャズ・ピアニスト。

 今回聴いた2枚のアルバムは、いずれもピアノ・ソロ作品だ。
 ただし、多重録音による“一人ピアノ連弾”の曲が多いし、得意のスキャットも織り込まれているし、一部の曲ではシンセサイザーも用いられている。ゆえに、通常の“ジャズ・ピアニストによるピアノ・ソロ・アルバム”というイメージからは遠い。

 『ア・フェイブル』は、“フランス版グラミー賞”とも言われる「ヴィクトワール・ドゥ・ラ・ミュジーク賞」を受賞した作品。



 かなりポップな仕上がりだった『シャドー・シアター』に比べると、この2枚は全体に地味で静謐な印象。
 速弾きも随所にあって音数は多いのに、大きな音で流しても思考の邪魔にならない。


↑『太古の観察者』所収の美しい曲「ザ・ケイヴ・オブ・リバース」。

 『太古の観察者(An Ancient Observer)』という不思議なタイトルには、「故郷アルメニアに戻ったティグランがアララト山の麓で太古から変わらない大自然と現代社会の絡み合いを観察し、心に浮かぶメロディーを描き出した」(サラーム海上氏のライナーより)アルバム、との意味が込められているという。

 私自身は行ったこともないアルメニアの雄大な風景が、聴いていると鮮やかに目に浮かぶようだ。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。54歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴31年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

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●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

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