佐藤優・ナイツ『人生にムダなことはひとつもない』



 佐藤優・ナイツ著『人生にムダなことはひとつもない』(潮出版社/1000円)読了。

 「知の巨人」とお笑い芸人という、異色の組み合わせの対談(厳密には鼎談)集。
 佐藤さんの数多い対談集の中でも、ひときわ異彩を放つ一冊である。

 「この組み合わせで実りある対話になるのか?」と首をかしげる向きもあろうが、実際に読んでみれば両者は意気投合しているし、読み応えある対談集に仕上がっている。

 佐藤さんの対談集で重きをなすことが多い国際情勢の分析などは、さすがに本書では皆無に近い。
 帯に「作家とお笑い芸人が“人生と信仰を語りつくす!”」との惹句があるように、本書のメインテーマは「人生と信仰」なのだ。

 「あとがき」で、佐藤さんは次のように書いている。

 

 私の理解では、宗教には二つのタイプがある。
 第一は、その人の人生にとって部分に過ぎない宗教だ。
 (中略)
 これに対して、宗教が信仰者の人生の中心に据えられ、あらゆる行動が信仰によって規定されるという第二のタイプの宗教がある。



 ナイツの2人も、佐藤さん自身も、「第二のタイプ」の信仰を持つ人だ。
 その視点から、互いの半生を信仰というフィルターを通して赤裸々に語り合ったのが本書であり、信仰を持つことの意味――とくに、人生の逆境における意味が、力を込めて語られている。
 
 ……というふうに紹介すると、辛気臭い本に思われてしまうかもしれない。が、基本的にはとても楽しく読める本である。
 練達のお笑い芸人とベストセラー作家という組み合わせゆえ、読者を楽しませる配慮が随所に光っているからだ(ナイツによる「まえがき」は、ほぼ漫才台本)。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。54歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴31年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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