山口周『知的戦闘力を高める独学の技法』



 昨日は仕事がらみで、東京医科歯科大学M&Dタワーで開かれたセミナー「社会疫学とは何か」を聴講。

 社会疫学の第一人者として知られる、米ハーバード大学公衆衛生大学院のイチロー・カワチ教授らの大著『社会疫学』(上下巻・各6048円/大修館書店)の翻訳刊行に合わせて開かれたもの。来日中のカワチ教授ら、社会疫学の研究者たちが登壇した。

 参加者の大半は医療関係者・医学生であり、私は浮きまくっていたが、セミナーの内容は面白かった。

 大著『社会疫学』も仕事がらみで読み進めているのだが、これも面白い。
 もちろん、ハーバードで使っている教科書だから専門的でわかりにくい部分もあるが、それでもいろんな原稿のネタになりそうなトピックが山盛りだ。



 行き帰りの電車で、山口周著『知的戦闘力を高める独学の技法』(ダイヤモンド社/1620円)を読了。

 ビジネス書にはクダラナイものや中身の薄いものが多いが、山口周の著作は数少ない例外で、購入に値する。本書も、著者名と書名だけ見て即座にポチった。

 最近立て続けに刊行されている“ビジネスパーソン向けの「独学術」本”の一つだが、山口周ならではの切り口で、他の類書より深みのある内容となっている。

 著者はビジネスパーソンの独学を、①戦略、②インプット、③抽象化・構造化、④ストックという4つのモジュールからなる「システム」として捉え、各モジュールについてくわしく解説していく。
 そして、従来の独学本の多くはインプットにばかり偏っており、「『独学術』というよりも、むしろ『読書術』『図書館利用術』というべきもの」だと指摘する。

 著者の主張はどれも理にかなっていて納得できるし、独学うんぬんを抜きに読み物として見ても、面白くてためになる。

 難点は、著者が過去に出した同傾向の著作と、一部内容が重なっているところ。まあ、同じ著者が似通ったテーマで執筆する以上、多少の重複は仕方ないのだが……。

■関連エントリ
山口周『外資系コンサルの知的生産術』
山口周『外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術』

 とはいえ、それは「初めて山口周の本を読む」という人にとっては難点にならない。
 独学に興味のある人ならオススメの好著である。 
 
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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。54歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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