ヴァレリー・カーター『The Way It Is/Find A River』



 ヴァレリー・カーターの『The Way It Is/Find A River』をヘビロ中。

 ヴァレリーは、「ウー・チャイルド」などの曲で知られるアメリカのシンガー・ソングライター。



 ソロ・アーティストとしては大ヒットに恵まれなかったが、バッキング・ヴォーカルの世界で幅広く活躍し、ウェストコースト・ロックの名盤に数多く参加している。
 透明感にあふれ、しかもよく通るハイトーンの美声が魅力的だ。まさに「鈴を鳴らすような声」。

 このアルバムは、96年に発表された『The Way It Is』に、98年のミニアルバム『Find A River』の収録曲5曲を追加したもの。2枚とも長らく入手困難で、中古市場でも高値を呼んでいたアルバムなので、ファン待望のリイシューといえる。
 ヴァレリーが今年3月に心筋梗塞で亡くなったがゆえのリイシューでもあるので、少々複雑な気分にもなるが……。

 彼女は80年代にドラッグに蝕まれ、一時期音楽シーンから姿を消した。
 『The Way It Is』『Find A River』は、ヴァレリーがようやくドラッグ禍を乗り越え、復活を果たした時期の作品。それでも、ヴォーカルにはまったく衰えが見られない。昔のままの伸びやかな美声だ。

 音楽的には、ウェストコーストの香りを濃密に漂わせるAOR。初期のアルバムはフォーキー・ソウルという趣だったが、本作はぐっとソウル寄りで、曲によってはかなりファンキー。

 AORといっても甘ったるさはなく、ちょっぴりアーシーで渋いセピアカラーの音作り。最初聴いたときには地味に感じるが、聴き込むほどに味わいが増してくるスルメ・アルバムだ。

 アース・ウインド&ファイアーの「That's the Way of the World」のカヴァーなど、ヴォーカルもアレンジも最高の仕上がりである。



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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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