柳本光晴『きっと可愛い女の子だから』



 柳本光晴の『きっと可愛い女の子だから』(アクションコミックス)を読んだ。
 例によって、Kindle日替わりセールで安かった(99円!)ので買ってみたもの。

 柳本は、この春「マンガ大賞2017」に輝いた『響~小説家になる方法~』の作者である。
 本書は、『響』で大ヒットをかっ飛ばす前に出された初期短編集だ。

 15歳の天才文学少女・鮎喰響(あくい・ひびき)の物語である『響』は、いま私が連載(『ビッグコミックスペリオール』)を楽しみに読んでいる作品の一つ。
 『響』のジェットコースター的面白さ(最近やや停滞ぎみだが、コミックス1巻あたりの面白さは非の打ち所がない)に比べると、この『きっと可愛い女の子だから』に収録の5編はまだ「習作」という趣だが、それでも十分楽しめる。

 

 クラスで孤立しているオタク少女、勉強の出来ないガングロギャル、行き遅れの堅物女教師など、普通のラブコメなら脇役にしかならないような女の子達をあえて主役として扱った異色のラブコメ短編集



 ……というのが、版元がつけた本書の惹句。そのコンセプトは十分奏功している。

 いまの時点から本書を読むと、どの短編も『響』の原型、プロトタイプに見えてくる。
 とくに、短編「保健室にて」に出てくる黒髪メガネっ娘は「もう一人の響」という感じだし、「図書館LOVER」に出てくる高校文芸部の世界は、そっくりそのまま『響』ワールドである。

 『響』が好きな人なら、そのスピンオフを読む感覚で楽しめる好短編集。
 
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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。ライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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