『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』



 『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』を映像配信で観た。



 ランサム・リグズのファンタジー小説を、ティム・バートン監督が映画化したもの。
 なんだか日本ではあまり話題にならなかった気がするが、観てみたら大変面白かった。

 グロい場面は少しあるが、エロ要素は皆無なので、子どもも一緒に観られる映画。それでいて、随所にティム・バートンらしい毒気もたっぷりあって、十分大人の鑑賞に堪える。

 空気より軽くて浮かび上がってしまう少女(飛んでいってしまわないように重い鉛の靴を履いている)、お腹の中にたくさんの蜂を飼っている少年、手から火を放つ少女など、それぞれ異能力を持つ子どもたちが、共に暮らす屋敷――。
 時間を操る能力を持つ「ミス・ペレグリン」はその屋敷の主人で、子どもたちの護り人である。

 屋敷は1943年9月3日にドイツ空軍の空襲を受けて破壊され、子どもたちは全員が死んだ。しかし、同じ時間をくり返す「ループ」と呼ばれる状態を作ることによって、空襲のあった日を永遠にくり返し、彼らは子どものままそこで暮らしている。

 現代の少年である主人公ジェイクは、かつてその屋敷の住人であったという祖父の死の謎を解くため、ウェールズにある屋敷に向かう。
 廃墟にしか見えない屋敷にジェイクが足を踏み入れると、そこは1943年9月3日の世界だった。

 ……という感じのストーリー。
 ミス・ペレグリンと、異能力を持った子どもたちのキャラクター造型が素晴らしく魅力的だ。心地よい酩酊感に満ちた、極彩色の悪夢という趣。

 異能力を持った子どもたちを「狩り」、その目玉を貪り食うことで人間の姿を取り戻そうとする「ホロー(悪の異能者)」たちと、ミス・ペレグリンたちとの戦いがストーリーの核になる。その戦いの中で子どもたちがそれぞれの異能力を活かしていくあたり、ファンタジーの王道という感じだ。
 ティム・バートン作品が好きな人なら楽しめる映画だと思う。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。ライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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