『ザ・コンサルタント』



 『ザ・コンサルタント』を映像配信で観た。



 田舎町の会計士が、じつは腕利きの殺し屋だった……という設定のアクション映画。
 
 地味な職業の主人公が、じつは百戦錬磨の戦闘マシーンで、封印していた能力を使って大暴れ……という物語は、『イコライザー』から『湯けむりスナイパー』に至るまで、たくさんある。
 本作もそのバリエーションの一つだが、一連の類似作の中で飛び抜けて奇妙な映画になっている。

 主人公が高機能自閉症で、軍人の父が「一人で生きていけるように」と、少年時代から格闘術や射撃術など、あらゆる特殊技能をスパルタで仕込んだ(おいおい)……という設定が、まずぶっ飛んでいる。

 それに、クライマックスの展開は、「予想の斜め上を行く」という言葉がピッタリのとんでもないもの。
 「えーっ? そんな決着のつけ方アリ?」、「電話の女の正体って、あの人? そんなのアリかよ!」と、目がテンになること請け合いだ。

 しかも、主人公が最後に行う「殺し」がある種のギャグになっていて、不謹慎ながらもつい爆笑してしまう(『インディ・ジョーンズ』第一作で、ハリソン・フォードが半月刀のアラブ人を無造作に射殺するギャグへのオマージュみたいな感じ)。
 全体が意外にシリアスだからこそ、突出した奇妙さを観客に与えるギャグである。

 ストレートにスカッとする映画ではなく、二重三重にヒネリが加えられた、変なアクション映画。でも、私はこの奇妙な味わいがけっこう気に入った。
 アクションには迫力があるし、ヒロインのアナ・ケンドリック(彼女を守るために主人公は闘う)はバンビみたいでキュートだし。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。ライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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