MASH『MASH』



 MASHのアルバム『MASH』(ワーナーミュージック・ジャパン/1404円)を聴いた。

 MASHは、1981年にこのアルバム1枚を発表しただけで消滅してしまった幻のロック・バンド。
 松岡直也 (key) を中心に、村田有美 (vo)、清水信之 (key)、青山徹 (g)、富倉安生 (b)、村上“ポンタ”秀一 (ds) 、ペッカー (per)という錚々たる面々が参加している。

 MASHは、「もう一つのマライア・プロジェクト」ともいうべきバンドであった。
 もっとも、「マライア・プロジェクトのディーヴァ」 村田有美が加わっていることを除けば、マライアとはメンバーが重なっていない。それでも、ジャズ/フュージョン系の一流ミュージシャンが集結して作ったロック・バンドという点で、マライア・プロジェクトとよく似ているのだ。登場時期もほぼ同じだし。

 このアルバムは長らく入手困難で、中古市場で高値を呼んでいたのだが、先月、待望のリイシューがなされた。
 私もずっと聴いてみたかったアルバムなので、さっそくゲットしたしだい。

 私は村田有美のヴォーカル目当てで手を伸ばしたのだが、全8曲中、村田が歌っているのは3曲のみ。ほかはインスト曲が3曲と、ギタリストの青山徹とパーカッションのペッカーが歌っている曲が1つずつ。

 村田有美という傑出したヴォーカリストが参加していながら、なぜ2人に歌わせたのか、解せない。青山徹は「愛奴」時代にも歌っていたからまだしも、ぺッカーは歌については素人なのに……。全曲村田のヴォーカル曲にすればよかったのだ。

 ただ、村田有美が歌っている3曲はいずれも素晴らしい仕上がり。とくに、ダイナミックなロック・チューン2曲「パルス」「ラヴ」のなんとカッコイイこと。

 サウンド的には、マライア・プロジェクトの一作である村田のソロ『KRISHNA』や、マライアのファースト『YENトリックス』に近い。ただ、マライア・プロジェクトほど先鋭的ではなく、「普通のフュージョン」色が随所に残っている。

 インスト曲3曲は、いまでいえばトリックス(TRIX)に近い、ロック寄りで疾走感あふれるハイパーテクニカルフュージョン。なかなかよい。
 ただ、やはり村田有美のヴォーカル曲が抜きん出ている。

 あと、せっかくSHM-CD仕様になっているにもかかわらず、音質がペラペラでショボすぎ。元のアルバムの録音がよくなかったのだろうか。

■関連エントリ
村田有美『KRISHNA(クリシュナ)』
マライア『YENトリックス』

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。ライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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