町山智浩『映画と本の意外な関係!』



 今日は、都内某所で企業取材。
 東京は、スーツを着ているだけで汗ばむほどの陽気。
 
 乗り換えのため原宿駅で久々に降りたら、外国人が多いのでビックリ。明治神宮に行く観光客が多いのだろうか? インバウンド倍増を実感。

 行き帰りの電車で、町山智浩著『映画と本の意外な関係!』(集英社インターナショナル新書/799円)を読了。

 集英社の季刊誌『kotoba』の連載「映画の台詞」と、同誌2016年春号の特集「映画と本の意外な関係」に寄せた原稿をまとめたもの。
 タイトルのとおり、映画に登場する本や、文学を引用したセリフ、原作の本との関係などから映画を論じている。

 呉智英の『マンガ狂につける薬』シリーズは、マンガと活字の本をセットにして論じたマンガ評論であったが、本書はその映画版という趣だ。

■関連エントリ→ 呉智英『マンガ狂につける薬 下学上達篇』

 映画はもちろんのこと、文学などにも造詣の深い町山氏ならではの本で、博覧強記ぶりに驚かされる。
 一回ごとの文章量は少ないため、本格的な映画評論というより軽い映画コラム集という印象だが、映画と本が両方好きな人間には間違いなく楽しめる一冊だ。

 私が本書でいちばん胸打たれたのは、映画『キャロル』を原作者パトリシア・ハイスミスの作品とからめて論じた一編。その一節を引く。

 同性愛が病気とされていた時代、それを押し殺して結婚した人々は苦しんだ。キャロルのモデル、キャサリン・センは51年に自殺していた。ヴァージニア・ウルフの『ダロウェイ夫人』(25年)のように。ハイスミスに同性愛の手ほどきをしたヴァージニア・キャサーウッドもアルコール依存症で死亡している。ハイスミス自身は『キャロル』を書くことで自分を肯定し、婚約を解消して、一生、女性だけを愛した。



 また、エコ・テロリストを描いた映画『ザ・イースト』を俎上に載せたコラムでは、次の一節に驚かされた。

 『ザ・イースト』はエコ・テロリストを称賛も批判もせず、ただ、観客に判断を委ねる。1995年から2013年までの十八年間で、アメリカ国内で起こったテロのうち、最も多い56パーセントは右翼過激派によるもの、次に多い30パーセントはエコ・テロリズムで、イスラム過激派による12パーセントを上回っている。



■関連エントリ→ 浜野喬士『エコ・テロリズム』

 
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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。ライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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