平岡陽明『松田さんの181日』



 昨日は、私用で群馬県桐生市へ――。

 行き帰りの電車で、平岡陽明著『松田さんの181日』(文藝春秋/1750円)を読了。

 昨夏に刊行された初長編『ライオンズ、1958。』が素晴らしかった気鋭の新人の、2冊目の単行本。
 オール讀物新人賞を受賞したデビュー作「松田さんの181日」を中心に、昨年までに『オール讀物』誌上で発表されてきた短編を集めたものだ(1編のみ書き下ろし)。

 素晴らしいクオリティの短編集である。
 収録作6編のうち、「寺子屋ブラザー篠田」だけはピンとこなかったが(失敗作だと思う)、ほかの5編は甲乙つけがたい傑作だ。「力の抜き方」まですでに心得ている手慣れた筆運びは、新人離れしている。

 いずれの作品も、広義の「人情ドラマ」である。
 ほどよいユーモア、巧みな「泣かせ」(とくに、表題作「松田さんの181日」と、その続編にあたる「マリーさんの101日」のクライマックスは泣ける)、快調なテンポとリーダビリティ、キャラ立ちの妙……といった特長を兼ね備えているあたり、浅田次郎を彷彿とさせる。

 浅田次郎の後継者になり得る人だと思うし、近い将来、直木賞が獲れる人だと思う。

■参考→ 「西鉄ライオンズの黄金期を背景に男の友情を描く、渾身の初長編」(私が書いた平岡さんへのインタビュー記事)

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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