高野ひと深『私の少年』



 高野ひと深の話題作『私の少年』(アクションコミックス)の既刊1~2巻を、Kindle電子書籍で購入。

 30歳OLと、12歳の美少年の淡いラブストーリーである。
 これが男女逆転した設定だったら、「たんなるロリコン、変態。キモい死ね」の一言でしりぞけられるところだ(でも、作者が最初に考えていた設定はまさに男女逆で、「少女とカメラマンのおっさんの物語」だったのだそうだ)。



 2人が出会い、少しずつ距離が縮まっていくプロセスが自然だし、ヒロインのOL・聡子の心理描写が繊細で素晴らしい。

 最初はサッカーを教えるために、聡子と少年・真修(ましゅう)の交流は始まる。
 やがて、真修の家が問題のある父子家庭だとわかり、聡子はやむにやまれぬ庇護の形でかかわっていく。そこにあるのは母性愛的な感情なのだが、それがグラデーションのように、少しずつ恋愛感情に置き換わっていく。

 コミックス2巻の最後では、「俺ずっと(サッカーの)練習続けてたの あいたかったからです 聡子さんに」と涙ながらに言われ、聡子は思わず真修を抱きしめてしまう。これはストーリーの転回点になりそうな、なかなかの名場面。うーん、このあと2人はどうなってしまうのか?

 一見美少女のように見える中性的な美少年・真修の表情の描写に、ものすごく力が込められている。いわゆる「ショタコン」の真骨頂を見る思いがする。

 連載誌は『月刊アクション』だから男性読者のほうが多いはずなのだが、これは「男にさえ『ショタコン』の心を理解させる」稀有な作品だ。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。ライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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