西原理恵子『洗えば使える 泥名言』



 西原理恵子著『洗えば使える 泥名言』(文藝春秋/1080円)読了。

 4年前の『生きる悪知恵』などと同系列の本である。つまり、サイバラの波瀾万丈の半生をふまえ、読者にある種の人生訓を説くトークエッセイなのだ。
 構成(=話を聞いて文章にまとめる)は、サイバラと縁深い新保信長が担当している。

■関連エントリ→ 西原理恵子『生きる悪知恵』

 タイトルどおり、名言集の体裁を取っている。サイバラが過去に誰かから言われた言葉などを一つひとつ俎上に載せ、その言葉をなぜ自分が心に刻んでいるかを語る、というスタイルなのだ。

 「人生訓の名言集」といっても、サイバラのことだから、名経営者とかが書く類書のようになるはずもない。下ネタ満載、四文字言葉もバリバリに駆使しながら、ゲスい人生訓、ゲスい名言を語っている。
 私のツボにハマった名言を挙げると……。


歴代の女が泣いてわめいて角取ってくれた中古の男がちょうどええ。



 歴代パートナーとくり返し衝突し、バツがついたりしている人のほうが、その反省をふまえて丸くなってるから、つきあいやすい。ゆえに、頑張って「角取ってくれた」前カノたちに感謝すべき、というのだ。なるほどなるほど。

 あと、これは「名言」ではないが、次の一節に爆笑した。

 テレビの仕事とかでよくあったのが、さくらももこが断った仕事が私に来るのね。で、私が断るとくらたま(倉田真由美)に行くという。だから、マンガ読んでる人たちにとっては全然違うジャンルでも、テレビの人とかは誰でもいいんだな、というのは思いましたね。
 「誰でもいいんだったら、どうして私がさくらももこになれねぇんだ」って思うんですけど、「見てる人は見てるんですよ」って言われて「そうですね」みたいな。やっぱり邪悪なものがにじみ出てるんですかねぇ……。



 わりと面白い本だったけど、名著だった『生きる悪知恵』に比べると、内容が薄い。1時間かからずに読めてしまうくらいだ。右ページには「名言」がデッカイ字で書かれているだけの場合が多いし。
 これは、文庫オリジナルにして500円くらいで出すべき本だったと思う。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。ライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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