『クライム・ヒート』


 
 『クライム・ヒート』を映像配信で観た。
 クリント・イーストウッドの傑作『ミスティック・リバー』の原作者であるデニス・ルヘインの小説が原作で、しかもルヘインが脚本も書いていると聞いて、観てみた。



 これが意外な拾いもの。地味な映画ながら、すごくよかった。日本ではビデオスルーで終わってしまった作品だが、映画館で観てみたい。

 『クライム・ヒート』という邦題はひどい(原題は“THE DROP”)。これでは、ドンパチ中心の「脳みそ筋肉」系犯罪アクションかと思ってしまう。
 犯罪映画には違いないのだが、むしろフィルムノワール寄り。『ミスティック・リバー』と同系列の、静謐な詩情に満ちたクライム・サスペンスなのである。

 フィルムノワールといえば男同士の友情が重要な要素なわけだが、本作はその要素は希薄。かわりにミステリ的要素が強く、クライマックスにはどんでん返しが用意されている。

 そのどんでん返しに至るまでに、悲劇の予感がじわじわと高まっていく。心地よい緊迫感に満ちた映画。
 銃を撃つ場面はクライマックスまでないのだが、それでも序盤からずっと、「いまにも撃たれるんじゃないか」という緊迫感がつづく。

 『マッドマックス 怒りのデスロード』のトム・ハーディが、寡黙なバーテンダーの役で主演している。これがじつによい。子犬と戯れる場面など、女性ファンならキュン死だろう。

 ピットブルのカワイイ子犬がストーリー上重要な役割を果たし、しかも全編出ずっぱりなので、犬好きにはたまらない映画でもある。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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