『ちはやふる -下の句-』



 『ちはやふる -下の句-』を映像配信で観た。
 前編に当たる『ちはやふる -上の句-』は楽しめたが、この後編は映画としてグダグダ。

 『-上の句-』には登場しなかった、「高校生最強のかるたクイーン・若宮詩暢(しのぶ)」というのが出てくる。
 「おっ、昔の少年マンガっぽいライバル対決ドラマになるのかな」と期待したのだが、そういうわけでもなく、話があちこちに飛ぶ。だから、クライマックスの千早対詩暢のかるた対決(個人戦)も盛り上がらない。

 一方、前編同様、千早・太一・新の幼なじみトリオのじれったい三角関係が、子ども時代の回想シーン込みで、ちまちまと描かれる(それもう飽きた)。しかも、彼らの恋愛模様は1ミリも進展しない。
 連続ドラマの1話ではなく、2時間足らずの映画なんだから、もっとダイナミックに話を動かさないと……。

 なんかこう、「描きたいことの的が絞れていない映画」という印象を受けた。

 何より最悪なのは、映画全体がひどく「説教臭い」こと。
 “チームの心が一つにまとまらないと、かるたは勝てないよ”みたいな陳腐でクッサイ教訓的メッセージが、あからさまにくり返されるのだ。
 そういうのは観る者におのずと「感じさせるべきこと」で、登場人物がセリフで説明しちゃったら興醒めなのである。

 昔、片岡義男が「おしなべて邦画は説明過多です。言わずもがなのセリフが多すぎるんです」と苦言を呈していたが、まったくそのとおり。説明ゼリフの濫用は、邦画の抜きがたい悪癖だと思う。

 さらに続編も作られるらしいが、私はもう観ない。この映画は『-上の句-』だけで完結したほうがよかった。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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