雁屋哲・由起賢二『野望の王国』



 金曜日は、上野の「国立西洋美術館」の馬渕明子館長を取材。テーマは、同館の世界文化遺産登録について。

 ル・コルビュジエの建築作品の特徴から始まり、美術館の役割、ひいては「文化の力」というところまで話が広がる。私は建築も美術も門外漢なので、一方的にご教示いただく形だが、とても面白い話がうかがえた。

 で、今日も明日も、それぞれ別件の取材。


 ……と、そのようにバタバタしているのだが、「Kindle Unlimited」で雁屋哲・由起賢二の『野望の王国』 全27巻が読み放題になっているので、思わず一気読みしてしまった。

 伝説の「馬鹿(バロック)マンガ」(=呉智英のネーミング)だが、私は初めて読んだ。
 竹熊健太郎・相原コージの傑作『サルでも描けるまんが教室』の主人公2人のキャラ造形は、『野望の王国』のパロディであることが知られている。私も、『サルまん』を読んで『野望の王国』を知ったクチだ。



 呉智英は、厳選の「馬鹿<バロック>漫画24冊」 というウェブページでも『野望の王国』をセレクトしており、同作について次のようにコメントしている。

 二人の青年が日本を制覇しようと覚悟するところから話がはじまるが、その方法がものすごく遠い! 普通なら政治家、官僚を目指すのが確実だと思うが、彼らはヤクザを目指した! 何人殺しても進まない日本制覇。このペースでは日本制覇するのに300年はかかるだろう。まさにバロック。



 このコメントの通り、噂に違わぬ怪作であった。
 荒唐無稽な展開の連続で、「クダラナイなあ」と思いつつ、異様な迫力に引きこまれてページを繰る手が止まらず、最後まで読まずにいられない。「面白いか、つまらないか?」と問われれば、「クダラナイけど面白い」と答えざるを得ない。名作とは言いがたいが、けっして駄作ではないのだ。

 で、「Kindle Unlimited」には青木雄二の『ナニワ金融道』も全巻入っているので、これまた全19巻一気読み(こちらは再読)してしまった。なかなか「時間食い虫」なサービスである。

関連記事

トラックバック

コメント

コメントを残す

Secret


Guide 

   →全記事インデックス

Profile 

前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。ライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

Counter 

メールフォーム

★私にご用の方はここからメールを下さい。

お名前
メールアドレス
件名
本文

最近の記事

マイ「神曲」ベスト100

カテゴリー

里親募集中

タイトルの由来

●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

●私の大好きなギタリスト・渡辺香津美氏は、ご自身のイニシャル「KW」をもじった「KW(キロワット)」を、公式サイトのタイトルにしておられます(同名のアルバムもあり)。それにあやかったというわけです。

●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

Archives

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
本・雑誌
31位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
和書
23位
アクセスランキングを見る>>