デイヴィッド・ヴァイン『米軍基地がやってきたこと』



 デイヴィッド・ヴァイン著、市中芳江・露久保由美子・手嶋由美子訳、西村金一監修『米軍基地がやってきたこと』(原書房/3024円)読了。書評用読書。

 米国の研究者(ワシントンD.C.にあるアメリカン大学の准教授)が、世界各国にある在外米軍基地の問題点について、6年の歳月をかけて徹底調査してまとめたノンフィクション。
 
 著者は在外米軍基地の存在について一貫して批判的で、“それは本当に必要なのか?”と、全編を通じて問いかける。そして、米軍基地が各受け入れ国や米国そのものの重い負担となっていることを、さまざまな角度から立証していく。
 当然、日本の米軍基地――とくに沖縄の基地――についても随所で言及されている。

 この手の本にありがちなイデオロギッシュで感情的なトーンはなく、著者の筆致は終始冷静だ。
 在外米軍基地は“20世紀の遺物”であり、平和維持効果についても、受け入れ地に与える経済効果についてもすでにほぼ無意味であり、デメリットしかないことが、事実とデータの積み重ねによって明かされている。

 米軍基地についての認識を一変させる労作。

■関連エントリ→ 矢部宏治・須田慎太郎『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること』
 
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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。ライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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