『SPY/スパイ』



 『SPY/スパイ』(2015)を映像配信で観た。



 007シリーズなどのスパイ映画をパロったアクション・コメディである。

 『キングスマン』『オースティン・パワーズ』『ティーン・エージェント』など、この手のスパイ映画パロディは大好物な私。
 本作は日本では劇場公開すらされず、ビデオスルーで終わったのだが、観てみたら大変面白かった。

 CIAの腕利きエージェントを演じるのがジュード・ロウとジェイソン・ステイサムで、キャストも豪華なのに、日本で未公開になったのは不思議。

 この作品の面白さは、CIAの優秀な分析官で、見た目はただの太ったオバサンであるヒロインのスーザン(メリッサ・マッカーシー)が、ひょんなことからスパイとなって、パリやミラノなどを舞台に007的な活躍をくり広げるところ。

 007シリーズになぞらえれば、Mの秘書ミス・マネーペニーが、ジェームス・ボンドと一緒に現場で任務を遂行するような映画。日本でいうと、森公美子がスパイ映画のヒロインになるような感じか。

 フツーのオバサンをスパイ・アクションのヒロインに据えることによって、女性の視点からスパイ映画のマチズモを笑い飛ばすという、ヒネった批評性を持つパロディなのだ。

 ストーリーもよくできているし、随所に仕込まれたスパイ映画のパロディがいちいちおかしい。
 たとえば、アバンタイトルは思いっきり007風に作られていて(主題歌も)カッコいいのだが、中身との落差が笑いを誘う。
 かなり楽しめる、上出来のアクション・コメディである。 

 それにしても、あまりにそっけない邦題(原題そのまんま)はどうにかならなかったものか。
 この邦題に、売る側の熱意のなさが透けて見えてしまう。きちんと宣伝して公開すれば、日本でも大ヒットさせられた映画だと思う(公開した国では軒並み大ヒット)。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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