信田さよ子『カウンセラーは何を見ているか』



 昨日は、取材で京都へ――。
 取材の前に、「京都国際マンガミュージアム」に行ってみた。前から観たいと思っていた「江口寿史展 KING OF POP」の「京都編」をちょうど開催していたので。



 京都国際マンガミュージアムに行くのは初めて。廃校になった小学校の校舎をリノベしてミュージアムにしたもので、「昔の小学校」っぽさがいい味出してる。歩くと床がギッシギシいうのだ。

 面白い常設展示も多いし、マンガ好きなら一度は行ったほうがよい施設だと思った。もっとも、「2度は行かなくていいかな」という気がしたが……。


 行き帰りの新幹線で2冊本が読めた。
 そのうちの1冊が、信田さよ子著『カウンセラーは何を見ているか』(医学書院)。取材の資料として読んだもの。

 ベテランカウンセラー・臨床心理士である著者が、カウンセラーとしての自らの歩みを綴った自伝的著作。自伝のスタイルを借りたカウンセラー入門という趣で、「カウンセラーの仕事がどういうものか」がざっくりわかるようになっている。

 印象に残った一節を引いておく。

 思い切った言い方をすれば、カウンセラーとは、バーやクラブのチーママ、占い師、そして新興宗教の教祖を足して三で割り、そこに科学的な専門性という装いをまぶした存在である。これは私の長年の持論であり、水商売と占いと宗教の三要素がカウンセリングには欠かせないと考えている。水商売というと引いてしまう人もいるかもしれないが、援助がサービスであるとすれば、サービス業の特徴をもっともよく表している業種である水商売とつながっていても不思議ではない。



 ただ、カウンセラー入門として読んだ場合、不要だと思える記述がけっこう多い。
 とくに、第2部の「カウンセラーは見た!」は、著者が狭心症で入院したときの出来事がメインになっていて、しかも“ヘタな小説仕立て”みたいな書き方をしている。

 この第2部は、丸ごとカットすべきだったと思う。カウンセラーの仕事について知りたい読者にはほぼ無意味な内容だからだ。

 私は信田さよ子の著作はけっこう読んでいて、『母が重くてたまらない』などは大変面白かった。
 しかし、著書をあれこれ読むうちに、当たり外れの振幅が大きい書き手であることがわかってきた(著書が多いだけに)。これまで読んだなかでいちばんひどかったのが『選ばれる男たち』(講談社現代新書)で、あまりのくだらなさに途中で投げ出したほど。

 本書も、前半はわりと面白かったが、全体としてはハズレだ。

■関連エントリ
信田さよ子『依存症』
信田さよ子『母が重くてたまらない』
信田さよ子『アダルト・チルドレンという物語』
信田さよ子『共依存・からめとる愛』

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。ライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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