『シャニダールの花』



 『シャニダールの花』をDVDで観た。黒木華の初主演作にあたる、2013年公開作品。監督は石井岳龍(元・石井聰互)。



 ごく一部の女性の胸にだけ、美しい花が咲くという不思議な現象が頻発する。「シャニダール」と名付けられたその花の満開時に抽出した成分は、画期的な新薬につながるとされ、億単位のカネで取り引きされていた。
 製薬会社の研究所で、「シャニダールの花」の研究にあたる植物学者・大瀧(綾野剛)と、その助手となる響子(黒木華)が主人公。2人は、いつしか恋に落ちる。
 だが、「シャニダールの花」提供者の急死が相次ぎ、2人は研究所が何かを隠蔽していることに気付く。やがて、響子の胸にも「シャニダールの花」が芽吹き……と、いうような話。
 「中二病」的妄想をそのまま映画にしたようなストーリーである。

 「シャニダール」とはイラク北部の、ネアンデルタール人の遺跡洞窟がある地名。
 この洞窟から発掘された遺体の化石から花粉が検出されたため、「ネアンデルタール人も、花を手向けて死者を悼む心を持っていたのだ」と喧伝され、「シャニダール洞窟」の名は世界的に知られた。本作のタイトルと基本設定は、そのエピソードをふまえたものだ。

 終盤、「ネアンデルタール人が死者を悼んで花を置いた? お笑いぐさだ。ネアンデルタール人は、死を招くシャニダールの花に寄生されて滅んだんだよ。花粉が検出されたのは、そのためだ」てな感じの“謎解き話”が出てくる(セリフはうろ覚えでテキトー)。この設定は大変面白いと思った。てゆーか、それ以外に面白い点は一つもない。

 箸にも棒にもかからない映画だが、それでも黒木華は素晴らしくチャーミングだ。白衣に地味メガネをかけた清楚な「リケジョ・コスプレ」が、全編で全開! 彼女はやっぱりこういう地味めの役が似合う。
 黒木華の魅力が堪能できたので、駄作でも許す(笑)。女子は綾野剛目当てで観ればよいと思う。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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