山口周『外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術』



 山口周著『外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術』(中経出版/810円)読了。
 kindle版が紙版(1620円)の半額という安値だったので、購入してみた。

 この著者の本では、昨年読んだ『外資系コンサルの知的生産術』がなかなか秀逸であった。
 当ブログのレビューで、私は「とくに、第5章(全5章)の『知的ストックを厚くする』は、読書論として独立した価値をもつ素晴らしい内容だ」と書いたのだが、これはまさにその章を一冊分に押し広げたような本である。

 タイトルが示すとおり、本書はビジネスマン向けに特化した読書論であり、読書をいかに仕事に役立てるかに的を絞っている。したがって、自由業者の私には関係ない話も多いのだが、それでも十分一読に値する内容であった。

 本書は、読書をビジネスマンにとっての“自分への投資”として捉え、著者が編み出した効率的な自己投資としての読書のコツを、さまざまな角度から開陳している。
 読書を「自分への投資」と見なす視点自体はありふれたものだが、本書はその視点の展開の仕方が優れている。

 たとえば、著者は読書を「ビジネスパーソンとしての基礎体力をつくるための読書」(=ビジネス書の名著をくり返し精読すること)と、「ビジネスパーソンとしての個性を形成するための読書」(=教養に関連する本を広く浅く読むこと)の2種類に大別し、その両方が不可欠なのだという。前者はいわば「規定演技」であり、後者は「自由演技」なのだ、と……。
 そして、2種類の読書のそれぞれについて、効率的な読書術を解説していく。その解説はどれも論理的で、得心のいくものだ。
 
 山口周は、いまのビジネス書の書き手としては傑出した存在だと思う。私は注目している。
 彼がつい最近開設した書評ブログ「ライプニッツ!」も、かなりよい。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。ライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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