安冨歩『ありのままの私』



 昨日は、都内某所で打ち合わせが一件。
 東京は春風駘蕩、木蓮と梅の花の香りが甘く漂い、年に何度もないような素晴らしい天気だった。そのまま遊びに行きたい気分だったが、もう一週間ほどは〆切つづきで修羅場ってるのであった。


 行き帰りの電車で、安冨歩(やすとみ・あゆむ)著『ありのままの私』(ぴあ)を読了。仕事の資料として。

 「女性装をした東大教授」として話題の著者が、「男装を捨てる」までの歩みを綴った自伝的エッセイ。
 著者の恋愛対象は女性オンリーであるそうで、現在のパートナーも女性。一口にLGBTといっても、多様な性指向・性自認があるのだ。

 いちばん面白かったのが、第4章「無縁の原理」。
 この章は網野善彦の提唱した「無縁」の概念を用いて、マツコ・デラックスがなぜマスメディアに広く受け入れられているか、そしてなぜ嫌われないか(=排除されないか)を、見事に解き明かした内容だ。さすが東大教授という感じの鮮やかな論理展開である。

 4章にかぎらず本書全体が、エッセイであると同時に、「日本社会とLGBT」についての秀逸な論考にもなっている。

関連記事

トラックバック

コメント

コメントを残す

Secret


Guide 

   →全記事インデックス

Profile 

前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

Counter 

メールフォーム

★私にご用の方はここからメールを下さい。

お名前
メールアドレス
件名
本文

最近の記事

マイ「神曲」ベスト100

カテゴリー

里親募集中

タイトルの由来

●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

●私の大好きなギタリスト・渡辺香津美氏は、ご自身のイニシャル「KW」をもじった「KW(キロワット)」を、公式サイトのタイトルにしておられます(同名のアルバムもあり)。それにあやかったというわけです。

●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

Archives

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
本・雑誌
27位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
和書
21位
アクセスランキングを見る>>