マシュー・バロウズ『シフト』



 また風邪を引いて熱を出してしまった。今月初めに風邪を引いて治ったばかりだというのに……。喉が痛い。
 今日の予定だった打ち合わせを、一つ延期してもらった。

 最近、行く先々で風邪引いてる人多すぎ。あと、ここ何日か寒すぎ。
 まあ、今回は食欲も普通にあるので、正月の症状よりはかなりましだが。

 寒気がするので、昨夜から寝床に入りっぱなし。書き仕事ができないので、とりあえず書評用の本を読んだ。
 マシュー・バロウズ著、藤原朝子訳『シフト――2035年、米国最高情報機関が予測する驚愕の未来』(ダイヤモンド社/2160円)である。

 アメリカの最高情報機関NIC(国家情報会議)の分析・報告部長として、『グローバル・トレンド』(約4年ごとに発表されてきた、今後15~20年間の世界を予測した報告書。一般向けに市販もされており、邦訳もある)の直近2号で主筆を務めた著者が、NIC辞任後に発表した未来予測の書。約20年後の至近未来である2035年の世界を、さまざまな角度から読み解いている。

 『グローバル・トレンド』をまとめるために著者が行った丹念な調査・取材をふまえた内容であり、机上の空論は一つもないといってよい。
 ただ、副題に言う「驚愕の未来」というのは少し大げさ。目からウロコが落ちるような衝撃的な未来予測はあまり見られない。むしろ、いまの国際情勢の延長線上にごく自然に思い描けるような、順当な予測のほうが多い。

 この手の未来予測の本ではとかく、いたずらに危機感を煽ったり、逆に過剰なまでにバラ色の未来を描いてみせたりと、両極端に振れがちだ。
 しかし、著者の筆致は終始冷静でバランスが取れており、過度の悲観にも楽観にも陥っていない。そのぶん派手さはない本だが、冷静さが好ましい。

 未来予測の書というより、むしろ、世界のメガトレンドを把握することにより、現在の世界を見る目がクリアになる本である。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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