Char『Rock十 Eve~Live at Nippon Budokan』



 11月中に終わらせる予定の仕事が、数本12月にずれ込んでしまった。
 そうこうするうち、なし崩し的に怒涛の「年末進行」に突入してしまい、修羅場っている。

 「7月中に夏休みの宿題を全部終わらせて、8月は目一杯遊ぼう」とか考えるくせに、けっきょくは8月末にヒイヒイ言っていた子ども時代から、私はまったく進歩がない。


 Charの『Rock十 Eve~Live at Nippon Budokan』を観た。
 発売元のZICCA RECORDS(Char自身が主宰するレーベル)さんよりご恵投いただいたもの。

 今年還暦を迎えたCharが、その記念に出したアルバム『ROCK十』(読み方は「ロック・プラス」だが、「六十」にかけたシャレ)。
 その全曲が披露された、還暦(の誕生日)前夜の武道館コンサートを、ほぼノーカットで収録したDVD+CDのセット。

 『ROCK十』は素晴らしいアルバムだった。今年の日本のロック・アルバムで、五指には入ると思う。
 このライヴ盤は、スタジオ盤以上に楽しくゴージャスな内容になっている。
 
 『ROCK十』は、Charがその長いキャリアの中で関わりのあった12人の大物と、1曲ずつコラボするという凝った企画。
 参加アーティストは、泉谷しげる、佐橋佳幸、布袋寅泰、ムッシュかまやつ、石田長生、奥田民生、松任谷由実、佐藤タイジ(シアターブルック)、JESSE(RIZE)、福山雅治、宮藤官九郎、山崎まさよしという面々だ。干支が一巡する還暦にちなみ、それぞれの干支から1人ずつ選ばれている。

 全曲書き下ろしの詞・曲のみならず、アレンジ、サウンドの方向性などのプロデュース全般に至るまでが、12人の参加アーティストに委ねられたという。

 コンサートには、12人のうち10人までが参加。宮藤官九郎作の曲「チャーのローディー」で、使えないローディー役で出演した阿部サダヲは、ビデオでの出演。
 そして、残る1人――「石やん」こと石田長生は、コンサートの際は食道ガンの闘病中であり、翌月(7月)に世を去った。

 10人の豪華ゲストが、自作曲を演るときだけステージに出てきて、曲が終わったらすぐに引っ込んでしまうという、なんとも贅沢なコンサート(ただし佐橋佳幸だけは、コンサート全体のサイドギタリストを務めたので、出ずっぱり)。

 それ以外の出演陣も豪華だ。一曲演奏するためだけにスカパラのホーン・セクションがゲスト出演したり、シンガーソングライターとして活躍している福原美穂がバックコーラスを務めたり……。

 全編でCharのギターが堪能できるのはもちろんのこと、それ以外にも見どころがいっぱい。
 布袋寅泰との華麗なギターバトルなどは、スタジオ・バージョンを凌駕する迫力だ。

 また、「次の人は、今日は来れないんですが、別のところで頑張っています」というMCから始まる石田長生作の「ニッポンChar, Char, Char」は、闘病中だった石やんに捧げる渾身の熱演。曲が終わったあとの「石やん、おおきに!」というCharの一言が泣ける。
 曲自体も絶品。石やんとCharが組んだアコースティック・デュオ「BAHO(馬呆)」のバージョンで、この曲が聴いてみたかった。 

 名ギタリストの還暦記念にふさわしい、素晴らしいコンサートである。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。ライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

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●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

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