『アオイホノオ』



 今日は、都内某所で音楽プロデューサー・評論家の立川直樹さんを取材。
 少年時代に立川さんの書かれたライナーノーツとか音楽評論などを山ほど読んだ身としては、とても楽しい取材。
 立川さんは60代後半だが、いまもよい意味での不良っぽさをたたえた、カッコイイ人であった。


 島本和彦の同名マンガをテレビドラマ化した『アオイホノオ』がAmazonのプライムビデオに入っていたので、観てみた。面白くて、つい全11話を一気に観てしまった。

 島本作品の実写映像化といえば、映画『逆境ナイン』もかなりよかったが、この『アオイホノオ』も素晴らしい。スタッフたちの原作へのリスペクトが感じられる、力の入った映像化だ。

 島本和彦自身が1人のマンガ家志望者であった大阪芸術大学時代をベースにした、自伝的青春コメディ。
 同期に庵野秀明がいたり、のちにマンガ界・アニメ界でひとかどの者となる人材が大芸大に集結していた時代であり、本作でも庵野は主人公・焔燃(ホノオ・モユル/島本の分身)の最大のライバルとして描かれる。

 舞台となる1980年代初頭の、オタク文化黎明期の出来事が随所に盛り込まれている。
 その時代を肌で知る私のような世代は、いちいち懐かしくて、面白くてたまらない。「ドラマで描くオタク文化黎明期」として、映像資料的価値も高いドラマである。

 また、そうした時代性を抜きにしても、いわゆる「ワナビ」の若者たちのイタさと熱さがふんだんに盛り込まれた青春ドラマとして、普遍的な面白さと感動を持つ作品だと思う。
 マンガ家・小説家・ミュージシャンなど、広義の「表現者」を目指した時期のある「ワナビ」や「元ワナビ」なら、焔燃の心の揺れ動きが手に取るようにわかるはずだ。大げさにデフォルメされているとはいえ、ワナビたちは大なり小なりこんなふうに悩み、もがき、のたうち回るものなのだ。

 焔燃役・柳楽優弥の熱演も素晴らしいのだが、『少年ジャンプ』の熱血ハードボイルド編集者・MADホーリィとか、ブッ飛んだ脇キャラたちがもうサイコー。



 このスタッフと出演陣で、焔燃がプロになってからの話(ただし、こちらは「炎尾燃」名義)である名作『燃えよペン』も実写化してほしいなァ。 

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。ライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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