樺沢紫苑『読んだら忘れない読書術』



 樺沢紫苑(かばさわ・しおん)著『読んだら忘れない読書術』(サンマーク出版/1620円)読了。

 この著者の本は、『メールの超プロが教えるGmail仕事術』というのを読んだことがある。ペンネーム(?)は宝塚風だが、五十がらみのオジサンである。

 本書は、月に20~30冊の本を読み、年に3冊程度の著作を上梓している著者が、自らの読書術を開陳したもの。

 目からウロコが落ちるような記述はほとんどなく、“読書道初級向け”という趣だが、首肯できる記述も多い。
 たとえば、「私が考える『本を読んだ』の定義は、『内容を説明できること』、そして『内容について議論できること』です。感想や自分の意見を述べられなければ、本を読んでいる意味がないのです」という一節は、ほんとうにそのとおりだと思う。

 私がこのブログに読書感想を書きつづけているのも、そうやって記録しておかないと、読書して学んだこと、感じたことをたちまち忘れてしまうからなのだ。

 本書の美点を一つ挙げるなら、読書のコツに名前をつけるネーミング・センスの妙。

 たとえば、「ウルトラマン読書術」なる項目がある。
 ウルトラマンは地球上で3分間しか戦えないが、だからこそ効率的に自分の強さを発揮することができる。同じように、わずかなスキマ時間に「このページまで読もう」と決めて読むことで、集中力を高め、脳のパフォーマンスを上げることができるのだ、と……。
 スキマ時間を有効活用せよ、ということは読書術の本によく書いてある平凡なアドバイスだが、それに「ウルトラマン読書術」という突飛なネーミングを施すことで、著者独自のノウハウとして提示しているのだ。

 ただ、読書の効用を強調するあまり、「それはちょっと言いすぎでは?」と苦笑してしまう部分もある。たとえば――。

 本を上手に活用できる人は、ストレスが緩和され、「悩み事」でクヨクヨすることから解放されます。しかし、この事実は、ほとんどの人が知りません。
 なぜなら、読書家は問題や悩み事に直面しても、「本」を参考にして、早期のうちに解決してしまうので、大きなストレスや厄介な悩み事に煩わされること自体がないからです。



 “真の読書家は悩んだりしない!”というのだから、スゴイ(笑)。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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