『マンデラ 自由への長い道』


マンデラ 自由への長い道 [DVD]マンデラ 自由への長い道 [DVD]
(2014/10/22)
イドリス・エルバ、ナオミ・ハリス 他

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 『マンデラ 自由への長い道』を映像配信で観た。
 ネルソン・マンデラの自伝の映画化で、約2時間半の大作である。



 マンデラの27年半にわたった獄中闘争や、そこに至るまでの反アパルトヘイト闘争の軌跡が、つぶさに描かれている。
 映像の力というのはやはりすごいもので、入獄したときの絶望感などがひしひしと伝わってくる。看守が薄笑いを浮かべて「お前は妻にも娘にも二度と触れることはできない。一生ここで過ごすのだ」と言う場面では、自分がそう言われているような気がして息苦しくなったりするのだ。

 自伝の映画化に当たっては、「事実を美化しないこと」がマンデラ側の提示した条件だったという。
 たしかに、この映画の中のマンデラは聖人君子ではない。自らの浮気が原因で最初の結婚が破綻したことなどが率直に描かれており、人間臭いのだ。そこがよい。

 また、この映画の大きな美点として、マンデラの妻ウィニーの闘いにもかなりの比重が置かれている点が挙げられる。獄中にあったマンデラの代わりに反アパルトヘイト闘争を率いたウィニーの尽力に、正当な評価が与えられているのだ。

 そのうえで、ウィニーとマンデラの間に入った亀裂までが描かれているのが切ない。白人たちとの徹底抗争を望んだウィニーと、融和を目指したマンデラ――いつの間にか、2人は違う方向を向いて歩いていたのだ。
 
 マンデラが描かれた映画としては、すでに『マンデラの名もなき看守』や『インビクタス/負けざる者たち』がある。それぞれよい映画だったが、この作品こそ決定版だろう。どういうわけか、アカデミー賞をはじめとした賞はほとんど得ていないが、もっと評価されてしかるべきだと感じた。

■関連エントリ
『マンデラの名もなき看守』レビュー
ジョン・カーリン『インビクタス~負けざる者たち』レビュー

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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