矢野顕子+TIN PAN『さとがえるコンサート』


さとがえるコンサートさとがえるコンサート
(2015/03/18)
矢野顕子+TIN PAN(細野晴臣/林立夫/鈴木茂)

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 矢野顕子+TIN PAN(細野晴臣/林立夫/鈴木茂)の『さとがえるコンサート』(ビクターエンタテインメント)を聴いた。

 40年来のつきあいであるTIN PANの3人との共演となった、昨年末の「さとがえるコンサート」のファイナル公演を収めたライヴ・アルバム。



 前作『飛ばしていくよ』は私には不満足なアルバムで、珍しく酷評してしまったのだが、本作はいい! 「これぞ矢野顕子」という感じの極上のライヴ・アルバムに仕上がっている。

 長いつきあいの一流ミュージシャンだけが揃ってこそ出せるグルーヴが、全編に満ちている。
 心地よいゆったり感と心地よい緊張が、不思議な共存を見せる。リラックスした演奏なのに、空気がピンと張りつめていて隙がないのだ。

 私はアッコちゃんのライヴ盤では1979年の『東京は夜の7時』がいちばん好きだが、本作はあれをしのぐかもしれない出来。

 唯一の新曲「A Song For Us」も、極上の迫力。
 ロック/ソウル色の強いカッコイイ曲で、アッコちゃんのヴォーカルも冴え渡っている。じつは彼女はソウルフルに熱唱しても素晴らしい歌い手なのだが、この曲はまさに「ヴォーカリスト・矢野顕子」の真骨頂を見せるものだ。

 レコーディング・エンジニア界の名匠・吉野金次のミックスも素晴らしく、一音一音がつややかに輝いている。
 とくに、ディスク2の「へびの泣く夜」から「終りの季節」に至るシークェンスにおけるピアノの音の美しさに、陶然となった。

 鈴木や細野が、彼ら自身の曲でヴォーカルをとる場面も多い。「矢野顕子のコンサート」というより、4人全員が主役だということを示しているのだろう。

 「このコンサートの現場にいたかった」という思いをひたすらつのらせる、見事なライヴ・アルバム。

 ジャケットもよい。私は4人がバラバラに座っている通常盤バージョンのほうが好きだ。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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