高城剛『2035年の世界』


2035年の世界2035年の世界
(2014/10/23)
高城 剛

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 一昨日は、戸田記念国際平和研究所のオリヴィエ・ウルバン所長を取材。昨日は南アフリカ共和国のモハウ・ペコ駐日大使を取材。
 もちろん通訳を介しての取材なのだが、英語での取材がつづくと、なんだか私自身も英語が堪能であるような錯覚に陥る(笑)。
 ペコ大使は、例の曽野綾子のアパルトヘイト肯定(としか思えない)発言をめぐって、最近メディアによく登場されている。ただし、昨日の取材は曽野問題とはまったく関係がない。


 高城(たかしろ)剛著『2035年の世界』(PHP研究所/1512円)読了。

 著者は、沢尻エリカの元夫として知られている人。昔使っていた「ハイパーメディアクリエイター」という肩書きといい、「なんかうさんくさい人だなあ」という印象を抱いている向きも多いことだろう。
 まあ、私もよく知らない人なのだが(昔『SPA!』で連載していたコラムは愛読していたが)、本書は大変面白かった。

 タイトルのとおり、いまから20年後の近未来をさまざまな角度から予測したコラム集である。
 科学・政治・経済・環境など8つの分野にまたがる未来予測が、全部で100項目。各項目が見開き2ページのコラムとなっている。

 著者は未来学者でも科学者でも経済学者でもないわけで、それらの未来予測にどの程度信憑性があるかといえば、まあ話半分であろう。
 著者自身、「科学書ともノンフィクションとも違う、私的な直感と妄想のなかから、2035年の未来を描いた」書であると、「はじめに」で定義している。

 が、けっして無根拠な与太話ではない。著者自身が研究者などと接するなかで聞いた話や、さまざまな最新情報を集めたうえで、その延長線上に描き出した直観的未来像なのである。
 項目によってはSF小説を読むように楽しめるし、未来を見通すための有益なヒントにも満ちている。

 SFチックな予測の例を引いてみよう。

 僕は、いくつかのパスポートを保有する富裕層が、自国ではなく合法的に「デザイナーズベイビー」を誕生させられることが可能な、「DNAヘイブン」で、子づくりを試みると考えている。その後、「生まれてきたものは仕方がない」と、人権を全面に押し出しながら社会に問う形で、なし崩し的に広がっていく未来を予測しているが、それは2035年より、もう少し先の話になるだろう。



 1990年代にはブランド鞄のニセモノが出回り、2000年代は違法ソフト、2010年代は違法ダウンロードが問題だったように、2030年代には、違法なDNAが地下市場を席巻するようになるだろう。



 「へーっ」と思った情報の例も挙げる。

 開発中であるHCPVと呼ばれる高集光発電システムを使えば、太陽光を2000倍にすることが可能で、サハラ砂漠の2%の敷地で全世界の電力をまかなうことができる。
(中略)
 スペインでは、夜も発電できるシステムが実用化されている。正確にいうと、このシステムは太陽光ではなく太陽熱発電だ。受光部のタンクに溶解塩が入っていて、昼間、太陽が当たると溶解塩が熱を帯び、その熱を利用して夜間も発電を行う。僕は実際に足を運んで観に行ったが、かなり大規模な施設で驚いた。中東マネーと欧州技術の結晶だそうだが、中東としても石油の次を考え、投資する必要があるのだろう。



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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。ライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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