吉田豪『聞き出す力』


聞き出す力聞き出す力
(2014/12/19)
吉田 豪

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 吉田豪著『聞き出す力』(日本文芸社/864円)読了。

 プロインタビュアー・吉田豪が初めて出した「インタビュー集以外の単行本」。
 『漫画ゴラク』連載のコラムの単行本化で、タイトルや帯が示すとおり、阿川佐和子のミリオンセラー『聞く力』のあからさまな便乗本だ。ちなみに、「『聞く力』の便乗本を出して欲しいというオファー」は、ほかにも殺到していたという。

 取材力を磨くためのライター入門として、また、あらゆる職業の人が「聞き出す力」を高めるための実用書として、読めないこともない。しかしそれ以前に、インタビューの舞台裏を明かしたエピソード集として、単純な娯楽読み物として楽しめる本だ。

 そもそも、本家『聞く力』からして、実用書というよりは肩のこらない娯楽読み物であった。
 そして、読み物として比べるなら、『聞く力』よりも本書のほうがずっと面白い。1項目4ページのコラムの中に印象的なエピソードがギュッと詰め込まれていて、密度が濃いのだ。

 徹底した下調べをしてインタビューに臨むライターとして知られる吉田豪だが、当人はその点を強調されることに戸惑いぎみだという。

 ろくに下調べもせず、アイドルとか相手にタメ口で馴れ馴れしく取材するタイプのライターも確かに多いけど、そっち側を基準にしてどうするって話で。
(中略)
 下調べをするからプロというよりも、下調べをしないのはプロ失格ってだけのことなのだ。



 いや、まったくそのとおりだと思う。
 
 「ダハハハハハ!」(吉田豪のインタビューのトレードマーク)と笑えるコラムも多い本だが、その笑いの底には、インタビュアーとしてつねに真剣勝負に臨んできた矜持が流れ通っている。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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