カーヴド・エア『リボーン』


リボーンリボーン
(2008/12/24)
カーヴド・エア

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 カーヴド・エアの『リボーン』(マーキー・インコーポレイティド)を聴いた。

 カーヴド・エアは、私が昔好きだったイギリスのプログレ・バンド。これは、2008年に22年ぶりの復活作として発表されたアルバム。復活していたのを知らなかった。

 ヴァイオリニストのダリル・ウェイを核に、ヴォーカルのソーニャ・クリスティーナを看板にして、クラシカルなプログレを聴かせるバンド。その点では、やはりイギリスのクラシカル・プログレ・バンドである「ルネッサンス」に近い。

 ルネッサンスの歌姫アニー・ハズラムは誰もが認める美声と歌唱力の持ち主だが、こちらのソーニャは美声というわけではないし、歌も大してうまくない(若き日の美貌は断然ソーニャに軍配が上がるのだが)。

 カーヴド・エアが1975年に発表した『ライヴ』は、それはそれは素晴らしいアルバムであった。この『ライヴ』でのソーニャは一世一代の熱唱を聴かせており、うまくはないものの、迫力がスゴイ。
 私はたまたま最初に聴いたカーヴド・エアのアルバムがこれだったもので、そのあとに聴いた彼らのスタジオ・アルバムは、どれもおとなしすぎて物足りないと感じた。

 さて、この復活作『リボーン』だが、新曲が3曲ある以外は過去のレパートリーの再録である。

 ソーニャの歌声は、年の割には衰えが見られないものの、高音シャウトがなくて物足りない。昔のようには高音が出ないのだろう。
 再録曲は、どれもきれいに小じんまりとまとまってはいるのだが、迫力不足。
 なぜそう感じるのかと考えてみるに、シンセサイザー類が1970年代に比べると格段に進歩していて、音がきれいになりすぎているのが大きな要因だろう。

 1970年代前半のELPのアルバムなどを聴くと、キース・エマーソンの弾くモーグ・シンセサイザーの音がなんとも古めかしいのだが、その無骨さ、ゴツゴツ感が逆に魅力的であったりする。

 古いシンセの無骨な音色と、ソーニャの力まかせのシャウト――『ライヴ』の大きな魅力であった2つの要素が、この復活作にはない。なので、あまり面白くなかった。ただ、ダリル・ウェイのヴァイオリンは相変わらず流麗で素晴らしい。


↑『ライヴ』の1曲「ヤング・マザー」。無骨なシンセと力まかせのシャウトの魅力。


↑若き日の美しきソーニャが歌う姿が見られる、1972年のテレビ映像。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴32年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

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