フローラ・プリム『バタフライ・ドリームス』ほか


Open Your Eyes You Can FlyOpen Your Eyes You Can Fly
(2000/04/18)
Flora Purim

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 フローラ・プリムの1970年代のソロ・アルバム2枚――『オープン・ユア・アイズ・ユー・キャン・フライ』と『バタフライ・ドリームス』を聴いた。

 フローラ・プリムといえば、第1期リターン・トゥ・フォーエバーでのさわやかな名唱が印象的であったが、私が彼女のソロ・アルバムをちゃんと聴いたのは初めて。

 もっと甘ったるい音楽を想像していたのだが、聴いてみたら超クール! むしろ第1期RTFよりもハードエッジなくらいだ。

 もちろん、ブラジリアン・ミュージックが基盤になってはいるのだが、一般の(というのもヘンだが)ブラジリアンよりもはるかに都会的なサウンド。曲によってはギンギンのギターが入っていたりして、ビートも強烈で、ジャズ・ロックと呼んで差し支えないほど。

 スタンリー・クラーク作曲の「ドクター・ジャイヴ」(『バタフライ・ドリームス』所収)なんて、もう思いっきりファンクでロック。カ、カッコいい……。



 第1期RTFの「ホワット・ゲーム・シャル・ウィ・プレイ・トゥデイ」での可憐なヴォーカルのイメージが強すぎて、ソロ・アルバムでこんなに強烈な曲をやっているとは思いもよらなかった。



 よい意味で予想を裏切られた。ほかのアルバムも聴いてみよう。

■余談その1
 手元にある『バタフライ・ドリームス』の日本盤(2002年発売)では、アーティスト名表記が「フローラ・プリン」になっている。中原仁という人のライナーノーツによると、日本では長い間「フローラ・プリム」と表記されてきたが、「~プリン」のほうが正しい表記なのだという。
 アントニオ・カルロス・ジョビンなどの「ジョビン」は、「Jobim」と書くが「ジョビム」とは読まない。それと同じで、「Purim」という綴りでも「プリン」なのだ、と……。
 また、中原氏はアイアート・モレイラ(フローラの夫でパーカッショニスト)についても、ブラジル読みの「アイルト・モレイラ」が正しい表記だとしている。

 うーん……。たしかに正しい(原音に忠実な)表記なのだろうが、日本では「フローラ・プリム」「アイアート・モレイラ」で定着しているのだから、それでいいじゃないかという気もする。
 ピーター・ガブリエルを「ピーター・ゲイブリエル」と表記したり、ブルースを「ブルーズ」と表記したりする「こだわりの人」がよくいるが、日本人が日本で日本風に表記して何が悪いのかと言いたくなる。
 だいたい、フローラ・プリンでは食べるプリンが頭に浮かんでしまうではないか。

■余談その2
 マイケル・フランクスの「タイム・トゥギャザー」という曲がある。マイケルの亡き愛犬「フローラ」に捧げられた曲だ。
 「君を取り戻す魔法の杖があったらいいのに」「いつかまた、愛が僕たちを結びつけてくれるよ」と、ペットロスな気持ちを切々と歌い上げて、犬好きなら涙なしには聴けない名曲である。



 あの犬の名も、フローラ・プリムにちなんだものなのではないか。マイケルはブラジリアンに強い影響を受けた人で、いかにもフローラ・プリムとか好きそうだし。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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