ロベン・フォード『ギターに愛を』


ギターに愛をギターに愛を
(2008/03/19)
ロベン・フォード

商品詳細を見る


 最近中古で手に入れてよく聴いているのが、ロベン・フォードの1979年のアルバム『ギターに愛を』。
 当時まだ20代だったロベンの初リーダー作である(ジャケットの彼の足の長いこと!)。

 昨年来、「ブルース熱」が昂じて古いブルースのアルバムをよく聴いている。その流れの中で、ブルースの強い影響を受けたフュージョン・ギタリストとしてロベン・フォードに再注目したしだい。

 エリック・クラプトンの諸作が「ウェルメイドなブルース入門」だとしたら、ロベン・フォードの諸作は「ブルースの上澄みをすくったような音楽」だと思う。
 ブルースのスタンダードを演っても、「もろブルース」という感じのオリジナル曲を演っても、どこか澄み切ってさわやかなのだ。

 そうしたイメージの何割かは、彼のヴォーカルがもたらすものだろう。
 ロベン・フォードのアルバムには彼自身がヴォーカルをとる曲も多いが、その歌声はブルースっぽいダミ声・しゃがれ声ではなく、ネッド・ドヒニーあたりを彷彿とさせる中性的な美声なのだ。


↑このアルバムの曲ではないが……。アルバート・キングの「Born Under A Bad Sign(悪い星の下に)」も、ロベンが歌えばこんなにさわやか。

 旧作を何枚か聴いたうち、ダントツで気に入ったのが、この『ギターに愛を(The Inside Story)』。
 いやー、これは素晴らしい。フュージョン史上に残る超・名盤だと思う。……などと私が評価するまでもなく、とっくに名盤の誉れ高いアルバムなのだろうけど。

 オープニング・ナンバー「マジック・サム」からして同名の天才ブルースマンに捧げた曲だし、全編に濃厚なブルース・フィーリングがあふれるアルバムだ。
 にもかかわらず、朝の「おめざ」音楽にふさわしいような、爽快無比のフュージョン・ミュージックに仕上がっているのだ。

 ロベン・フォードのアルバムには、『Handful of Blues』『Discovering the Blues』のように「ブルース丸かじり」な作品も多いが、私は「ブルースの上澄み」感が最も強い本作がいちばん好きだ。


↑「ブルースの上澄み」感の一例として、収録曲「For The One I Love」(邦題は「愛をこめて」)を。

 なんと心地よいギターだろう。一つひとつのフレーズが、一音一音が爽快なのだ。

関連記事

トラックバック

コメント

コメントを残す

Secret


Guide 

   →全記事インデックス

Profile 

前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

Counter 

メールフォーム

★私にご用の方はここからメールを下さい。

お名前
メールアドレス
件名
本文

最近の記事

マイ「神曲」ベスト100

カテゴリー

里親募集中

タイトルの由来

●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

●私の大好きなギタリスト・渡辺香津美氏は、ご自身のイニシャル「KW」をもじった「KW(キロワット)」を、公式サイトのタイトルにしておられます(同名のアルバムもあり)。それにあやかったというわけです。

●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

Archives

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
本・雑誌
33位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
和書
25位
アクセスランキングを見る>>