『凶悪』


凶悪 [DVD]凶悪 [DVD]
(2014/04/02)
山田孝之、ピエール瀧 他

商品詳細を見る


 『凶悪』(白石和彌監督)をレンタルDVDで観た。今日の息抜き。



 実際に起きた連続殺人事件を扱った犯罪ノンフィクションの映画化。つまり、園子温の『冷たい熱帯魚』の類似作だ。

■関連エントリ→ 『冷たい熱帯魚』レビュー

 愛犬家連続殺人事件の主犯・関根元をモデルにした『冷たい熱帯魚』の村田幸雄(でんでんが演じた役)も冷酷な悪人だったが、本作の「先生」(リリー・フランキー)はさらに怖い。一見温和なインテリ風で、じつは血も涙もないという落差が怖い。しかも、人を殺す場面で妙に楽しそうなところが怖い。
 犯罪者型サイコパス(犯罪を犯さないサイコパスも多い)の一典型を、リアルに描き出すことに成功した映画なのだ。

 『冷たい熱帯魚』と比べれば、この『凶悪』のほうが映画として優れている。
 観客の劣情に訴えるエログロ描写ばかり目立った『熱帯魚』よりも、抑制の効いた演出がなされた本作のほうが、映画としての品格が高いと思うのだ。
 終始張りつめた緊張感があふれ、日本映画特有の湿っぽさがないのもよい。乾いたタッチのハリウッド産クライム・サスペンスのようだ。

 主人公は、事件の謎を追う月刊誌記者(山田孝之)。しかし、観終わっていちばん印象に残るのは、後半から登場するリリー・フランキーのほうだ。
 『ぐるりのこと。』でも『そして父になる』でもそうだったが、リリー・フランキーの演技力はすごい。本業の俳優食いまくりである。

関連記事

トラックバック

コメント

コメントを残す

Secret


Guide 

   →全記事インデックス

Profile 

前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

Counter 

メールフォーム

★私にご用の方はここからメールを下さい。

お名前
メールアドレス
件名
本文

最近の記事

マイ「神曲」ベスト100

カテゴリー

里親募集中

タイトルの由来

●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

●私の大好きなギタリスト・渡辺香津美氏は、ご自身のイニシャル「KW」をもじった「KW(キロワット)」を、公式サイトのタイトルにしておられます(同名のアルバムもあり)。それにあやかったというわけです。

●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

Archives

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
本・雑誌
31位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
和書
22位
アクセスランキングを見る>>