ミシェル・ンデゲオチェロ『コメット・カム・トゥ・ミー』


コメット・カム・トゥ・ミーコメット・カム・トゥ・ミー
(2014/06/04)
ミシェル・ンデゲオチェロ

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 ミシェル・ンデゲオチェロの新作『コメット・カム・トゥ・ミー』(P-VINE)を聴いた。新作といっても6月に出たもの。

 ミシェル・ンデゲオチェロは、最初の2枚のアルバム(『プランテーション・ララバイ』と『ピース・ビヨンド・パッション』) が好きで愛聴していたのだが、4thアルバムの『クッキー:ジ・アンスロポロジカル・ミックステープ』から興味が薄れてしまい、その後のアルバムは追いかけていなかった。久々に手を伸ばした本作は、もう11作目だそうだ。

 なんの気なしにレンタルしてきたこの新作だが……これはいい! 全13曲が一つ残らずカッコイイ。
 ジャンルとしては「ネオ・ソウル」ということになるのだろうが、ソウルの枠には収まりきらない変幻自在なサウンド。軽やかにジャンルを超越している。

 一曲目の「Friends」(フーディーニのカヴァー)は強烈なエレクトロ・ファンクだし、かと思えばオーガニック・ソウルな味わいの曲もある。

 レゲエのリズムを用いた曲が目立つアルバムだが、そのアプローチは曲ごとに違う。
 「Forget My Name」は、モダンでクールな「都市のレゲエ」という趣。タイトル・ナンバー「Comet, Come To Me」はレゲエでありながら、1980年代あたりのジョニ・ミッチェルのよう。レゲエの上澄みをすくったような清冽な曲だ。



 「Shopping For Jazz」は「洗練されたクラブサウンドとオーガニック・ソウルの融合」という趣でバツグンのカッコよさだし、アルバム中最もキャッチーな「Folie A Deux」は知的で美メロな極上のポップチューンだ。





 ……と、そのように一曲ごとに違う顔を見せる多彩なアルバムだが、ミシェル・ンデゲオチェロの鉄壁の個性が全体に統一感をもたらしている。

 ミシェルは卓越したベース・プレイヤーでもあるが、本作には初期のアルバムのようなベース弾きまくりの曲はほとんどない。テクニックをひけらかすようなところはなく、シンプルですき間の多い音。しかし、シンプルな中にも凄みがあって、一音一音が聴き手の心に深く切り込んでくる。

 昨日からずっとヘビロしているのだが、全然聴き飽きない。素晴らしいアルバムだ。聴き逃がしていたほかのアルバムにも手を伸ばしてみよう。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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