原田曜平『ヤンキー経済』『さとり世代』


ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体 (幻冬舎新書)ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体 (幻冬舎新書)
(2014/01/30)
原田 曜平

商品詳細を見る


 昨日は、取材で愛知県日進市へ――。

 行き帰りの新幹線で、原田曜平著『ヤンキー経済――消費の主役・新保守層の正体』(幻冬舎新書)『さとり世代――盗んだバイクで走り出さない若者たち』(角川oneテーマ21新書)を読了。仕事の資料として読んだもの。

 博報堂の「若者研究所」でリーダーを務め、最近はテレビの「ZIP!」のコメンテイターとしても知られる著者が、日頃の研究をふまえて「いまどきの若者」の素顔を紹介する2冊。

 前者はいわゆる「マイルドヤンキー」(著者はこの概念の提唱者)の世界に踏み込んだもので、後者は大学生たちへの取材から「さとり世代」の実像を解き明かしたもの。
 マイルドヤンキー層がおおむね中卒・高卒で、後者に登場するのは上位ランクの大学生たちであるから、2冊を併読することで「いまどきの若者」の全体像が見えてくる。

 2冊が扱う若者たちはおよそ「階層」が異なるわけだが、読後の印象は不思議なほど似通っている。それは、「いまどきの若者って、ずいぶんこぢんまりと落ちついちゃってるんだなあ」という印象だ。

 マイルドヤンキーたちは、昔のヤンキーたちのように「BIG」になることを目指さず、生まれ育った地元の世界でこぢんまりと生活している。
 「さとり世代」の大学生たちも、分不相応な野心など抱かず、バブル世代のような見栄消費もしない。
 いわゆる草食系男子だけが「草食化」しているのではない。ヤンキーも、若い女の子たちも「草食化」傾向にあるのだ。

 実際のマイルドヤンキーたち、さとり世代の大学生たちの発言のいくつかに、目からウロコの落ちる思いを味わった。たとえば――。

 メリット、デメリットで考えると、恋愛のメリットがよくわからない。

 盗んだバイクで走り出したい欲望っていうのが、何を求めての欲望なのか、さとり世代にはよくわからないです。

 今は海外も日本も、生活様式って大して変わらない。景色しか変わらないんだったら別に(海外に)行かなくてもいいかなって思っちゃうんですけど。(『さとり世代』より)



 「日の出(町)の若者にとって、イオンは夢の国。イオンに行けば、何でもできるんです」

 「給料が5万円上がれば、生活満足度が100点になる」(『ヤンキー経済』より)



 ううむ……。

 私は、若いころの自分が「草食系男子のハシリ」だったと思っている。自動車にもブランドものにもまったく興味がなかったし、自分が若者だったバブル時代にはバブル的消費に熱狂する同世代が理解できなかった。
 だから、草食系男子たちにはわりとシンパシーを覚えるのだが、そんな私でさえ、いまどきの若者の“こぢんまり感”には驚かされた。

■関連エントリ→ 原田曜平『近頃の若者はなぜダメなのか』レビュー

関連記事

トラックバック

コメント

コメントを残す

Secret


Guide 

   →全記事インデックス

Profile 

前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

Counter 

メールフォーム

★私にご用の方はここからメールを下さい。

お名前
メールアドレス
件名
本文

最近の記事

マイ「神曲」ベスト100

カテゴリー

里親募集中

タイトルの由来

●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

●私の大好きなギタリスト・渡辺香津美氏は、ご自身のイニシャル「KW」をもじった「KW(キロワット)」を、公式サイトのタイトルにしておられます(同名のアルバムもあり)。それにあやかったというわけです。

●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

Archives

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
本・雑誌
26位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
和書
20位
アクセスランキングを見る>>