ブランドX『ミッシング・ピリオド』


ミッシング・ピリオド -異常行為前夜-ミッシング・ピリオド -異常行為前夜-
(1997/09/19)
ブランドX

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 ブランドXの『ミッシング・ピリオド』を、MP3ダウンロードで購入。

 英国にはカンタベリー系などブログレ寄りのジャズ・ロック・バンドが多いが、ブランドXは英国のバンドながらもフュージョン寄りのジャズ・ロック(プログレ要素ももちろんあるが)。
 「フュージョン寄り」といっても能天気なお気楽フュージョンではなく、いかにも英国的なヒネリと陰影が魅力のバンドである。

 フィル・コリンズがジェネシスと掛け持ちで在籍していたことで知られるが、彼以外にもパーシー・ジョーンズやジョン・グッドサルなどテクニシャン揃いで、超絶技巧の(それでいて聴きやすい)ジャズ・ロックを聴かせる。

 この『ミッシング・ピリオド』は、ブランドXがデビューアルバム『アンオーソドックス・ビヘイヴィアー(Unorthodox Behaviour)』(1976)以前に録音していた未発表音源(元はBBC用のスタジオ・ライヴらしい)を、20年以上を経た1997年に正式リリースしたもの。

 「異常行為前夜」という邦題サブタイトルは、デビューアルバムの日本発売時の邦題が原題直訳の『異常行為』だったことによる。

 プランドXのアルバムは、『アンオーソドックス・ビヘイヴィアー』も『ライヴストック』も、『モロカン・ロール』も『マスクス』も大好きな私。ただ、この『ミッシング・ピリオド』は、「どうせデモテープ集みたいなもんだろ」と思って手を伸ばさずにいた。
 が、YouTubeに上がっていた何曲かを聴いてみたら、すごくカッコよかったのでゲットしたしだい。


↑いちばん気に入った「Ancient Mysteries」。美しい。

 収録曲のいくつかは、のちのオリジナル・アルバムの曲のプロトタイプである。
 長らくお蔵入りになっていたことが示すように、未完成ヴァージョン集ではあるのだが、よくあるデモテープ集のような「商品以前」の出来ではない。オリジナル・アルバムと比べてもまったく遜色ない。

 オリジナル・アルバムの洗練度に比べたら荒削りな演奏と編曲ではあるものの、なにしろバカテク・ミュージシャン揃いだから、その荒削りさが瑕疵にならず、むしろワイルドな魅力を生んでいる。スタジオ・ライヴだから当然だが、ライヴ・アルバムに近いいきいきとした演奏なのだ。

 不気味なジャケットデザインが玉に瑕だが、内容は五つ星。ブランドXが好きな人で未聴なら、絶対オススメだ。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。ライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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