高橋英彦『なぜ他人の不幸は蜜の味なのか』


なぜ他人の不幸は蜜の味なのか (幻冬舎ルネッサンス新書 た-9-1)なぜ他人の不幸は蜜の味なのか (幻冬舎ルネッサンス新書 た-9-1)
(2014/04/11)
高橋 英彦

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 今日は、都内某所で打ち合わせが一件。
 行き帰りの電車で、高橋英彦著『なぜ他人の不幸は蜜の味なのか』(幻冬舎ルネッサンス新書/840円)を読了。

 人間の感情や心の病気の脳科学的研究をつづける研究者(現・京大准教授/医学博士)が、研究成果を一般向けにブレイクダウンした本。

 タイトルは、著者たちの研究によって、妬みや他人の不幸を喜ぶ感情に関する脳内のメカニズムが明らかになったことをふまえたもの。

 本書でも、全5章中の1~2章で、「なぜ他人の不幸は蜜の味なのか」についての脳科学的解説がなされている。ただし、タイトルに相応しているのはそこまでで、3章以降は別の話だ。

 部分的には大変面白い本だが、惜しむらくは文章がやや生硬で、医学論文そのまんまみたいな箇所が散見されること。
 かと思えば、あまりにも文章を平明にしすぎて、読者を子ども扱いしているかのような箇所もあったりする。
 
 著者はこれが初の一般書のようだから、そのへんのさじ加減(=一般向けの文章はどこまでかみくだいたらよいか)がまだつかめていないのだろう。
 一般向け科学啓蒙書のお手本ともいうべき、池谷裕二さんの著書の写経を勧めたい。

 生硬な文章の例を挙げてみる。

 この研究結果は、自由意志という自分の行為は自分が意識して、自分の責任において行うという立場に反する結果として、自由意志の哲学において何度も引用されています。



 「自由意志の哲学」について予備知識がないと、この文章を3回読んでも意味がわからない。文がこんがらがっている。

 そのような瑕疵があるとはいえ、嫉妬の感情を脳科学的に解説した部分は非常に興味深い本だ。
 昔、岸田秀の『嫉妬の時代』という俗流心理学の面白い本があったが、あれをもっとアカデミックにしたような感じ。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。ライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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