吉田典史『ビジネス書の9割はゴーストライター』


ビジネス書の9割はゴーストライタービジネス書の9割はゴーストライター
(2014/05/25)
吉田 典史

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 吉田典史著『ビジネス書の9割はゴーストライター』(青弓社/1728円)読了。

 これまで100冊以上ゴーストの仕事をやってきたライターの私としては、買わずにはいられなかった本。タイトルのとおり、ビジネス書のゴーストライティングの話が中心になっている。

 本書には佐村河内事件への言及は皆無だが、あの事件によってゴーストライターへの世間の関心が(変な形で)高まったことが、刊行の背景にあるのかもしれない。もっとも、本書のベースになっているのは、事件以前にネットで発表された記事だけれど……。

 ゴーストライター(=書籍の聞き書きライター)の仕事に特化した本が、ほかにないわけではない。当ブログでも取り上げた『職業、ブックライター。』(上阪徹)、『実践的ライター入門』(松枝史明) などである。

 それらの類書に比べ、本書は「告発」の色合いが濃い。ゴーストの世界がいかに矛盾に満ちているか、仕事がらみのトラブルが多いかが、かなりの紙数を割いて書かれているのだ。女工哀史ならぬ「ゴーストライター哀史」みたいな……。

 「ゴーストライターの仕事をやってみたい」という人のための入門書として、読めないこともない。が、もっぱら業界のネガティヴな側面に光が当てられているから、本書を読むと「ゴーストライターになりたい」という気持ちは消え失せるのではないか。

 逆に言うと、ネガティヴな側面ばかり強調しすぎだと思う。読んでいて、著者(ゴーストの仕事もたくさんやってきたそうだ)の愚痴を延々と聞かされている気分になった。

 私には仕事の参考になる点はあまりなかったが、“ゴースト業界四方山話集”として読む分には、わりと楽しめた。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。ライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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