新井直之『チャイルド・プア』


チャイルド・プア~社会を蝕む子どもの貧困~チャイルド・プア~社会を蝕む子どもの貧困~
(2014/03/15)
新井直之(NHKディレクター)

商品詳細を見る


 昨日は、都内で取材が2件――。
 ゴールデンウイーク前の取材・打ち合わせはこれで終わり。あとは粛々と原稿を書き進めるのみ。なんとかGW中に2、3日は休めそうである。


 行き帰りの電車で、新井直之著『チャイルド・プア――社会を蝕む子どもの貧困』(TOブックス/1620円)を読了。
 
 NHKの報道番組ディレクターである著者が、「特報首都圏」枠で作った同名ドキュメンタリーの書籍化だ。



 「子どもの貧困対策法」の施行(本年1月)もあり、刊行が相次いでいる「子どもの貧困」本の一つ。
 
 社会的背景やデータについてもひととおり触れられているが、メインとなるのは貧困に苦しむ子どもや若者を取材したルポ部分である。

 一つの番組を作るのに100人以上を取材することもある「NHKスペシャル」が「大作」だとすれば、本書の元番組は「小品」であって、取材人数も少なめだ。
 それでも、一章ごとに一人の子ども・若者に的を絞った2~4章は読みごたえがあった。

 前に当ブログで紹介した『ドキュメント高校中退』の著者・青砥恭(あおと・やすし)が、番組の取材に全面協力している。
 ルポの対象となるのは、青砥が代表理事を務めるNPO法人「さいたまユースサポートネット」(貧困世帯の子どもたちへの無料学習支援などを行っている)が支援している子ども・若者なのだ。

 「子どもの貧困」を大局的に扱う本だけでは見えてこない、貧困層一人ひとりの人物像がしっかりと描き出されている点に、本書の価値がある。
 親に騙されてホームレスになった経験をもつ若者、母親の自殺を目の当たりにして引きこもりになった少女、親とともに車上生活を強いられていた中学生など、どのケースも衝撃的だ。

 スクールソーシャルワーカーや定時制高校の教師たちなど、貧困家庭の子どもに寄り添い、励ます大人の姿も紹介され、あたたかい読後感を残す。

関連記事

トラックバック

コメント

コメントを残す

Secret


Guide 

   →全記事インデックス

Profile 

前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。ライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

Counter 

メールフォーム

★私にご用の方はここからメールを下さい。

お名前
メールアドレス
件名
本文

最近の記事

マイ「神曲」ベスト100

カテゴリー

里親募集中

タイトルの由来

●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

●私の大好きなギタリスト・渡辺香津美氏は、ご自身のイニシャル「KW」をもじった「KW(キロワット)」を、公式サイトのタイトルにしておられます(同名のアルバムもあり)。それにあやかったというわけです。

●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

Archives

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
本・雑誌
26位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
和書
19位
アクセスランキングを見る>>