チューブス『THE BEST OF THE TUBES』


Best ofBest of
(1992/11/17)
Tubes

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 チューブスの『THE BEST OF THE TUBES』を、輸入盤で購入。
 
 チューブスは、一字違いの日本のバンドとは似ても似つかない、アメリカの毒気たっぷりなロックバンドである。
 私は彼らの1979年のアルバム『リモート・コントロール』が大好きで、ロック史に残る名盤の一つだと思っている。

 毒気と知性、猥雑さとクールネスのせめぎ合いが魅力のバンドだったのだが、『リモート・コントロール』以降、売れ線狙いでポップ度をどんどん強めていき、その分毒気が抜けてつまらなくなってしまった……と言われている。

 このベスト盤は、まさにその時期――80年代前半に出した売れ線狙いの3枚のアルバムからセレクトされたもの。

 3枚中1枚は、『リモート・コントロール』のプロデューサーでもあったトッド・ラングレンがプロデュース。残りの2枚はなんとデヴィッド・フォスターのプロデュースによるものだ。

 チューブスとデヴィッド・フォスター。水と油な感じの組み合わせだが、聴いてみると思ったより悪くない。
 一歩間違えばただのAOR、ただの産業ロックという感じの曲が多いのだが、それでも、『リモート・コントロール』までの毒気とねじれたユーモアの片鱗はまだ随所に残っている。ポップだが、甘さの中に毒がある。何より、楽曲のクオリティが総じて高い。

 でも、私はやっぱりトッド・ラングレンがプロデュースした曲のほうが好きだな。
 トッドがプロデュースしたアルバムには名盤が多い。ただし、誰をプロデュースしてもトッド色に染めてしまい、トッド自身の曲によく似てしまうのはご愛嬌というところ。


↑このアルバムにも収録された「Piece By Piece」。いい曲だが、やはりトッド色に染まっている。

 チューブスはもっと評価されてしかるべきバンドだと、このベストを聴いて改めて思った。


↑ついでに、『リモート・コントロール』所収の痛快な名曲「TV is King」。79年の発売時には「テレビが大将」という邦題がついていた。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。ライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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