西原理恵子『サイバラの部屋』


サイバラの部屋 (新潮文庫)サイバラの部屋 (新潮文庫)
(2013/12/24)
西原 理恵子

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 西原理恵子著『サイバラの部屋』(新潮文庫/578円)読了。

 サイバラが過去8年くらいの間にいろんな雑誌で行った、各界の著名人13人との対談を集めたもの。文庫オリジナルである。

 玉石混交で、あまり面白くない対談もあるが、全体としては値段分きっちり楽しませる好読み物だ。
 サイバラのサービス精神はいつもながらアッパレなもので、真面目なテーマの対談でもガンガン笑いを取りにいく。それも、自らの過去と現在を「ネタ」と化しての捨て身の笑いなのだ。

 カバー裏の紹介文が本書の魅力を的確に要約しているので、そのまま引用。

ようこそ、何でもアリの部屋へ──。よしもとばななやともさかりえを相手に、なぜだか近所のオカン談義。重松清と成り上がり人生を振り返る。リリー・フランキーにはライバル意識むき出し。出所したてのホリエモンとはダイエット話に花を咲かせる。大胆にもやなせたかし先生のポジションを狙う……。野望も下ネタも人情も一緒くた! 読めば不思議と元気になれる、盛りだくさんの対話集。



 個人的にとくに面白く読んだのは、VS重松清対談と、VSみうらじゅん対談。
 前者は、“物書き業界スゴロク”の四方山話が他人事とは思えず、共感しまくり。後者は、ムサビ時代の裏話が面白すぎ。
 VS重松対談から、印象に残った発言を引く。

重松 でもおれ、取材とかだといまだに聞くよ。「テープ起こしはどっち?」って(笑)。「スケジュールの問題もあるし、先に言っといて」って(笑)。
西原 そこなんだ! テープ起こしするかどうか、じゃないんだ(笑)。でも、重松さんがゴーストライターからの叩き上げっていうのは、わたしも含めた鉛筆乞食の希望の星ですよ。



 どんなに売れっ子になっても、「鉛筆無頼」(@竹中労)ならぬ「鉛筆乞食」と自己規定できるあたりが、サイバラの凄さだろう。すかした「文化人」になど、けっしてならないのだ。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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