梅原猛『人類哲学へ』


人類哲学へ人類哲学へ
(2013/10/23)
梅原 猛

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 梅原猛著『人類哲学へ』(NTT出版/1680円)読了。

 岩波新書の『人類哲学序説』から派生した、いわばスピンオフ本である。

 第1部では、梅原さん自身が『人類哲学序説』の内容をダイジェスト。第2部は討論編で、梅原さんを中心に、吉村作治・安田喜憲・松井孝典・梅原賢一郎(梅原さんの息子で芸術学者)の各氏が参加している。
 最後の第3部は、猛/賢一郎の梅原父子対談となっている。

 基本的には、『人類哲学序説』をすでに読んだ人なら読む必要がない本。内容もかなり重複している。

 『人類哲学序説』は、一冊の本として非常によくできていた。大学での講義を編集者かライターが構成した本だと思われるが、そのまとめ方が目を瞠るほどにうまかったのである。

 対照的に、本書は構成・編集がかなり雑で、まとめる際のトリートメントがあまりなされていない感じだ。
 対談・鼎談・座談会は、実際に話されたとおりに文章化してしまったら、意味不明な箇所が必ず出てくるものである。そこをいかに自然にトリートメントする(微調整や補足を適宜加えて、話がスムースに流れるようにする)かがライターの腕の見せどころなのだが、本書はそこが不十分なのだ。

 たとえば、本書の中でさえ、内容の重複が少なからずある。第1部と第3部に同じ話が出てきたりするのだ。このへんはライターか編集者が整理すべきだったろう。

 ……と、ケチをつけてしまったが、第3部の父子対談では、ほかの人ならコワくて聞けないようなこと(笑)を賢一郎氏がズバズバ聞いており、その点は面白かった。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴31年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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